ファイ・ブレイン 神のパズル3#1「レイツェル…」（新）
第一期、第二期とも大好きなシリーズでしたが、第三期をやると聞いた時には、嬉しさと同時に「えっ、何するの？また同じ繰り返しになっちゃうの？登場人物どんどん増えていくの？」と、危惧する気持ちもけっこうな大きさであったのですが。
再放送で一年を経ての第三期。満を持して、という言葉がしっくりと来る、練り上げられたストーリーがこの先に待っている……そんな予感をはらんだ上質の第一話で、たいへん嬉しゅうございました。
しかし番宣で「最終章」って言っているのを聞いてわりと愕然。最終章……決定事項……？
キャラクターの配置や関係性をしっかりと見直して、第三シリーズとしてやれること、第三シリーズだからこそやれることを描いていく、といった気合いと意気込みが見える。ような気がします。
第二期ではほぼ放置されていたジンがメインヒロイン（違……わない）に抜擢。だいぶ気になっていたので、これは嬉しい。
当面の敵役となるであろうレイツェルとエニグマの描き方は、思わせぶりな台詞まわしが無為に苛立たせるでなくきちんと緊張感へと繋がっていて、またルークやフリーセルとは違ったアプローチの敵性存在であることが如実に分かり、一話にして魅力が確立された感がありました。
第一期・第二期とキャラクターが増えすぎた（そしてシリーズゲストではなく、すべて拾っていくらしい）ことで、話づくりが窮屈になってしまわないかと懸念していたのですが、当面はイギリス組・日本組に分けつつも、シーン切り替えを頻々にし、またキャラクター同士の連絡を密にすることで、むしろ内容的には濃さを感じられるものになっていました。
配置の妙としては、ノノハをいつもの置き去り組にせず、カイト（そしてルーク、フリーセル）と同行させているところでしょうか。これにより、ノノハとルーク、ノノハとフリーセルの距離感が描かれて、カイトとの絡みよりも逆にヒロインらしさが際立っていた気がします。
第二期終盤でのフリーセルとのあれやこれやを思い出すと、わりとにやにや出来たりもしますし。にやにや。にやにや。
天才テラス組については、軸川先輩や学園長にも居場所と出番を作りつつ、いつものメンバーがいつもの空気を作っていて、見ていてほっとしました。
ちょっと面白かったのは、アナがやたらギャモンにひっついて、おぶさったりしているところ。これ、エンディングでもやっているのを見るに、この先画面上に大人数を収めるにあたって、意識してアナにひっつき属性をプラスしたのかな、と。これまで描かれてきた人物像との親和性が高く、見た目や掛け合いの楽しさも増す。良き付与だと思いますです、はい。
なんだかキャラクターの話ばかりでずいぶんと長くなってしまいましたが、ストーリーも興味をそそりますよ楽しいですよ。
というかファイブレの場合、キャラクターとストーリーががっちりと絡み合っているんだよなぁ。それぞれの内面の動機。過去の因縁。他者への想い。そういったものが鍵というか原動力になって、各々行動しているので。
パズルアニメ（そしてデータ放送連動アニメ）として存在することが第一義であろう作品ですから、この、キャラクターの内面へと立ち入っていくことが主となるストーリー作りは、良い意味で身の丈に合っていると思います。
いやまあパズルで世界の危機やってもいいけどさ！今までもやってきたけどさ！
根底には「誰かの誰かへの執念めいた感情」があるわけで。
ともあれ、第三期。私的には、とても良い滑り出しと思えました。
これから半年（かな？）、楽しくお付き合いさせていただきます。
……本当に最終シリーズなのかなぁ……。
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第一期はお買い得価格の単巻、第二期はBOX販売だったわけですが。この第三期はどうなるのかな。
ところでいま見てみましたら、第一期のBD限定版がプレミア価格につりあげられていますのね……びっくりですよ……単に市場に出回った絶対数が少ない、というだけでしょうけれど。
他の巻も大きな値崩れをしているものはほぼ無くて。ある意味、発売直後に買って後悔しない、損しない作品であるとも言えます。Eテレアニメだから再放送しまくりだろ！アーカイブで見られるだろ！とかそういうことは置いといて！
