クロスファイト ビーダマンeS#104「頂上決戦だぜィ!カモンVSカケル!!」(終)

 ああ、終わってしまったなぁ。
 二年続いたということもありますが、今期の最終回の中で最も「終わってしまって淋しい」という気持ちになった最終回でした。
 みんないい子だった。

 最後の最後にまた暗雲立ち込めて、どのような締めくくりを持ってくるのかと思ったら、二期のビーダーの総力結集でエンブレム封印とか熱い熱すぎる嬉しすぎるよ!
 カモンの強さとリョーマの悔恨、そしてふたりの関わり、絆も、必要なぶんが描かれて。フェニックスは美しく飛翔する。
 ……ギルシオンについては、もう少し救済めいたものが欲しかった気はしますが(一期のドラゴルドくらいのテイストで)、ここはしょうがないのかな。後の時代、後の世代に期待するということで。

 新しく南のビーマスターを決めるために、再び大会を開催する!というところで切ったラストシーンが、実に爽やかで楽しくて嬉しくて、素敵でした。
 ちゃんと全員集合してくれたし。ここに来て、ここに来て。ここに来て!タマちゃん喋ったし!ドラシアン持ってるし!で、「弟よ」とか言われてるし!……凄い待遇だなぁ。ちょっと嬉しい気遣いです。

 ロングバージョンなエンディングでは、その後の彼らの姿を一枚絵で描き、想像をかきたててくれ、なおかつ妄想を阻害はしない範囲内で上品に描写してくれて、ネタ的に楽しみつつ素直に感動できるものでした。
 一枚ずつ、ひとりずつ、何やってんだよ!とつっこみたくなる。良い意味で。笑顔で。嬉しいことだ。一番はやっぱり、バサラさん何やってんだよ!でしたね、ええ。ええ。

 二年のお付き合いでした。
 一期の初期は正直言って薄味に感じられてしまい、十五分という短さとキャラクターの見た目の可愛さだけで、なんとなく見続けてきました。
 新しい玩具展開のたびにキャラクターが増えていくのを生暖かく見守っているうちに、増えるキャラクターがどいつもこいつもみな可愛かったりいいキャラしていたり、ビーダーとビーダマンの友情・信頼という基本も決して忘れることがなかったり、主人公に主人公らしいカリスマがきっちり備わっていたり、と、作りそのものに次第に惹かれるようになり。

 キャラクターが生き生きと動き、ドラマに翻弄されていった後半からは、個々のキャラクターと物語とに本当に思い入れて見ていました。

 人間関係が錯綜し、複雑になっていっても、初期メンバーのフォローは可能な限り行ってくれたことも嬉しかった。
 ことに、二期における一期主要キャラクター、また主人公であったカケルの扱いについては、最大限の敬意と注意が払われていて、かといってリスペクトしすぎてバランスを欠くでもなく、二期キャラクターの影が薄くなるでもなく。素晴らしいバランスだったと思います。
 一期で微妙な立場だったナオヤやバサラといったキャラクターの扱いも、本当に良かった。嬉しかった。贔屓目を抜きにしても、かつての裏切者であるナオヤの、二期における美味しすぎるポジション取りは、見ていて面白すぎました。

 何よりも好きだったのは、いわゆる「大人の事情」に縛られる度合いの高いキッズアニメホビーアニメですが、その枠をきっちりと押さえつつ、惰性と義理だけで作る予定調和のみの作品というわけでもなかった、そのこと。
 プロらしい仕事の割り切りと、作品を「作品」として仕上げる技。愛情。その、無理のない同居を見せてくれた。
 尊敬に値します。

 大好きな作品でした。本当に、終わってしまって淋しい。
 けれど、大団円を迎えてくれて嬉しい。

 スタッフの皆様、素敵な作品をありがとうございました。

 ……それにつけてもBD/DVD発売しないもんかなぁ。無理かなぁ。あーあ。

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Dream/Ray of light
 一期・二期ともに、作品イメージに合いつつ普通の歌としても十分に熱くて良い歌詞でありました。オープニング・エンディング。しかもオープニングにはTV版仕様として「ビーダマン」を最後に織り込むというサービスつき。
 このへんも多分、すごく気に入りだった理由のひとつだな。アニメソングとして理想的な在り方でした。

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