宇宙戦艦ヤマト2199#24「遥かなる約束の地」

 いやあ。目を疑いましたね。映画館で観た時には。
 なぜここで水着回!?

 予兆はありました。
 何って、この24話は佐藤順一が絵コンテを担当したという話を聞いていた(当人がツイッターで言っていた)ので。サトジュンがヤマト?という違和感はありましたが、うん、なるほど。こういうエピソードを担当したなら納得です。

 まあ、和み和みの海でキャッキャは、それはそれで楽しゅうございました。女子の水着よりも、飛び込みを怖がるヘタレ篠原とか、釣り(何が釣れるというのだ……)をする徳川と加藤とか、語らう沖田と佐渡、そしてアナライザーとか。
 そういう人物模様が、見ていて楽しい。とても。
 後半での、古代守のメッセージが艦内に流れるシーンも、乗組員を俯瞰して眺める演出、描き方がとても優しく、人間味に溢れていて、ヤマトらしさが強く出ていたのではないかと思います。
 見る者に、キャラクターの内面を想像させる。主人公格のみならず、サブキャラ、モブキャラに至るまで。そして、艦内の……作品内の雰囲気、空気を感じさせる。
 とどめは新見女史の号泣。そりゃもう泣ける。

 もうひとつの見どころは、スターシャとのやりとり。
 スターシャが実に面倒くさい女で、しかし決して粘着な印象は受けない、さらりと描きつつも溢れる感情が伝わって来る……のが、サトジュンらしいな、と。

 キャラクターに寄り添った内容ではありましたが、なにげに重要なこともたくさん。
 コスモリバースの設定については、なぜ直接持ってきてくれなかったのか、なぜヤマトがイスカンダルへと赴く必要があったのか、という旧作のツッコミどころをクリア。なおかつ、「ヤマト」そのもののシンボリックさ、重要性を高めており、小理屈だけではない感慨と感動がちゃんとあります。
 地球の記憶を持つ、ヤマトでなければならなかった。
 いいですねえ。浪漫ですねえ。

 ……ところで、第七章に入ってから、なんだか映画館で一気に見るよりも余韻や広がりを感じるような気がします。
 時間を置いて咀嚼したほうがいいということかな。
 それだけ内容が詰め込みまくりで濃密だったということかな。

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 旧作において、クィーン・オブ・面倒くさいスターシャと言えば、やはりこの「新たなる旅立ち」でしょう。テレビシリーズの二作目と、映画版の三作目を繋ぐという、良く分からない使命を背負って作られた、ある意味気の毒な作品でもあり。ぶっちゃけ映画版の三作目「永遠に」を見たあとで思い出すと、あまりにも踏み台すぎるのですよね。いろいろと。いろいろと。サーシャ……。

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