神さまのいない日曜日#4「オルタス I」

 新章突入。
 旅に出たアイと、ユリーと、スカー。

 ここまで話が進んでから、あらためてオープニングを見ると、アイの心が、世界が広がっていく旅の物語なのだろう、と、はっきり分かる。
 ハンプニーハンバートの象徴的な扱われ方に、それは顕著で。

 この話、一話の中で、アイは三回も「アイ・アスティンです」と名乗っていました。それだけでなにやらじんわりしみじみしてしまうのことよ。
 己の名を、出自を、大事にする。父を、母を、誇りに思っているのだと、自然と伝わってくる。

 ともあれ、新展開。新登場のキャラクターも多数で、アイとともに世界を探訪していくわくわく感があります。
 わくわく、と呼ぶには、世界そのものはとても倦んだ、黄昏の色を帯びたものなのですが。
 アイというフィルタを通すことにより、新しいものに触れる楽しみ、根拠はなくとも世界そのものへと挑みゆく心意気が、見る者の気持ちをあまり沈ませないでくれるのだな。
 物怖じしない性格と、先入観を持たぬ平らかな視点と、優しい心根とで、まわりを巻き込んでいく。主人公の風格であります。

 とは言うものの、新しい登場人物はみな一癖も二癖もありそう、腹に一物抱えていそうで、好青年(少年)と見えたキリコにしても、ラストシーンの意味深さが何やら不吉。
 新しい舞台となるオルタスは死者の百万都市とか考えるだけでも背筋がぞわりとするし、仮面で行き交う雑踏の人々からは、画面を見ているだけで甘い腐臭が漂ってきそうで、なんだかもう。
 うーん。面白いな。好きだな。退廃と安寧と。諦念と平穏と。
 そして、アイは如何様に変わっていくのか。

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Birth(初回限定盤)
 8月7日発売予定、オープニングテーマ。なぜにキタエリ?と思ったけれど、後に登場するキャラクターのCVも担当しているようです。みかこしも同じく。
 気に入り度ではエンディングに一歩譲りますが、映像のテンポの良さとあいまって、このオープニングもなかなかに好き。ことにタイトルが夕陽に浮かぶところ、なんか、なんとなく、「ああ」って思います。夕陽。斜陽。見捨てられた世界。そんな連想かな。

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