宇宙兄弟#65「車椅子のパイロット」
新オープニング・エンディング、今回も良い感じです。
毎度ながら、作品のイメージや精神を反映している、あるいはそう思わせてくれるものである。そのことの、幸せ。
今までの楽曲も殆どがそうでしたが、これは原作が青年誌掲載の作品であり、元からファンも多いということも手伝っているのかな。原作の1巻をぽんと渡されたら、読みふけってハマってしまう。それだけの力のあるお話だし。
アニメもまた、然り。
シャロンについて、割り切ったわけではない、到底割り切れるものでもないけれど、目の前の道を一歩ずつしっかり、出来るだけの速さで、歩いていくと。前回のエピソード……一切れのケーキの心とともに、仕切り直した感。
無駄にドラマティックなイベントを挟むことなく、心の在り様を持ち直すことによって日常(宇宙飛行士としての、だけれど)の流れに物語が戻っていくあたりが、少年誌原作とは違うノリだよなぁ。どちらが良い悪いという話ではなくて、それぞれに違う魅力があるものですが、こういった青年誌のテンションを保ったコミックが夕方アニメとして受け入れられているのは昨今珍しいので(というか、事例そのものが珍しいかも)、貴重だな、と思います。
追試を経て、一歩出遅れてしまった、六太のT-38訓練開始。
シャロンのあれこれやら、陰口を叩かれたりで(しかしムッとするケンジ・せりか・北村さん&諌める新田に、見ていてじーんとさせられる)、微妙に沈んでいた空気が、デニール・ヤングの再登場で吹き飛ばされます。
しかし、最低点を取ったことにより指導教官がヤングになったのは、逆に僥倖となるビジョンしか見えないぞ。ピコの時と同様に。
でも、こういう「あたりくじ」を引き続けるのが、主人公補正というより、六太のひとたらし属性のおかげ……に見えるので(実際「たらさ」なければピコもヤングも大はずれだろうし)嫌味には感じないでいられる(私的には、ですが)。
はずれをあたりに変える能力。それこそが六太である、と。
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宇宙兄弟 Blu-ray DISC BOX 4
BOXも既に4巻目。長期シリーズとなっただけに、並べてコンパクトに収納できるのは良いかもしれないな、と改めてしみじみ。
しかし、実写版や原作コミックスと一緒に並べたら、なんだか壮大で膨大になりそうな宇宙兄弟(商品)ワールド……。