宇宙兄弟#64「一切れのケーキ」
シャロンの前向きさと、時に訪れる弱気と。相反するものではない。人間らしい強さと弱さ。
動揺し、テストに失敗してしまう六太も。それぞれ決意を持って向き合っていく様子も。
すべて、ケーキの一切れ。
ついに明らかとなったシャロンの病気。
ALSという病気について、せりかの父の時よりもさらに詳しく語られました。この病気の存在、小さい頃に知っていたら、恐くて夜眠れなくなったんじゃないかなぁ。
私の場合、以前に書いた通り、いとこをこの病気で亡くしていますが、大人になってからのことですから。
喋ることが出来なくなり、指先だけで意志を伝える。またたきだけで意志を伝える。瞳孔の動きだけで意志を伝える。それすらも、出来なくなるまで。
シャロンに残された時間は、如何ほどか。
日々人に追いつきたいという気持ちはあるにせよ、のんびり構えていた……と言うと語弊がありますが、普通に頑張ってきた六太に、タイムリミットが火をつける。
ご都合と言われれば、確かにご都合主義な展開。しかし、ここまで散りばめられてきた符牒の数々により、それをあまり感じさせないのが、見事であるなあとしみじみ思います。
アマンティの予言はまあご愛敬として、せりかの設定まわりの処理が秀逸。一点に集約されていくカタルシスは(こんな時ではありますが)なかなかに大きなものでした。
シャロンの病気により投げかけられる波紋。それにより、浮き立たせられるもの。受け継がれゆくもの。
この先の展開への緊張感はいや増すばかり。しっかりとした見応えに繋がってゆくのを期待するのみ、であります。
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ふと思い出す、実写映画版。ありましたよなあ。なんだか遠い思い出になっていますが。
詰め込みまくり端折りまくりダイジェストではありますが、とにかく頑張って似せたキャストや、頑張って作った映像は、なかなか。一見の価値はありました。