宇宙兄弟#59「誓いのサイン」
過去回想における人死には、多用しすぎると感動も醒め、作為性に反発したくなる諸刃の剣ですが、この作品の場合、それがキャラクターの現在の人物像へと直結しているので、単なるお涙頂戴のイベントにはならないんだよなあと。
せりかの父、然り。
ブライアン、然り。
そして、リック。
ビンスの「迷っている暇はない」という哲学。
ピコの「テンションの上がらないことにパワーを使っている暇はない」という哲学。
いずれも、人生は短い……人の命はいつ尽きるか分からない。だからこそ、精一杯に今の自分がやりたいことを、やるべきことを為す、ということに繋がっているのだ、と。
それ即ち、初期から六太が体現してきた「より楽しいと思えるほうを選ぶ」というテーマに、そのまま繋がるものでもあるのかな。
描写は無くても、リックを喪って後のビンスとピコが、あの田舎町の閉塞感に、頭から押さえつけようとする両親と教師に、真正面から立ち向かったであろうことが、容易に想像できる。想像させてくれる。
一方、訓練課題の方は、スポンジタイヤということで懸念された降雨問題がしっかり発生するというお約束。
しかし、なんだかんだで結束固く乗り越えてくれそうで、見ていてむしろ「いかにして逆境を跳ね除けるか」という楽しみの方が強い、という。
直前の新田と六太の会話も、効いているんですよね。ビンスに注意されたことを、さらりと喋る六太。これまたさらりと謝る新田。
心の距離がとても近しくなっていることが、この二言、三言の会話で、しっかりと伝わる。ちょいとニヤニヤ、いい雰囲気。
ここにもそこにも、友情があって、宇宙への想いがある。同胞としての心がある。
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スポンジタイヤと言われても、ピコほどに驚かなかった、というか「それは有りだよね」と普通に納得するのみだったのは、やっぱり、ミニ四駆を知っている国民であり、世代であるから、かしらん。
懐かしいな、このブルータイヤ。買いました。使いました。大人になってからハマったので、マネーパワーでえげつなくセッティングしまくって遊びました。それももう、何年前のことだろう……。