宇宙兄弟#42「日々人の選択」

 緊張感から、絶望感へと。
 月面での日々人の危難を、これでもかってくらい丁寧に描いて、しかし冗長に感じさせないのは、いつもの「宇宙兄弟」らしい。

 前回までの展開から、事態は一応、好転と呼べるのか。ダミアンはぎりぎりで命を落とさずに済んだものの、照明弾を使い果たして、日々人の救助は物理的に間に合わないことが確定し、文字通り命のカウントダウン状態に。
 星加が、ただ酸素残量が減るのを見守らせたくない、と言って、六太をあえて呼びに行かないシーンが、「人物」のありかたとしてとてもリアルで、重みがありました。

 常にマイペースを崩さなかった日々人ですが、死を覚悟しての散歩や、谷底に落ちようとするあたりは、飄々としているようでありながら、僅かに心が軋んでいる感があって。
 見ているこちらも、心臓を掴まれたような気分になりました。

 そういえば、六太の言った「あいつはじっとしていない」はここにも繋がっているのかな、もしかして。ほんとに日々人はじっとしてない、んだな……。
 関連で、結局はJAXA(六太)の告げた場所が正しかったのだ、と判明したシーンでは溜飲を下げましたが、これが無駄にされていたら、溜飲どころじゃない。いったい何人が、悔悟に苛まれることか。
 しかし、そんな物語にはならない、という信頼があります。

 ラストシーンのブライアン人形が象徴するもの。
 月に立ちしもの。

 次回も楽しみです。

 しかし、これでやっと9巻半ばまで消化なんだよなぁ。原作最新の20巻が2月発売予定だから、うん。
 あと一年。もっともっと、続いてくれたら嬉しいのだけれど。

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 原作最新20巻、2月22日発売予定。
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 ちょっと欲しいよなぁ。原作は集めていないけれど。
 発売日の昼休みに買えたら買おう、と思います。買えなければ、運がなかったということで。

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