聖闘士星矢Ω#40「ソニアの覚悟!因縁の連鎖を断て!」

 ソニアの咲かせた最後の一花。で、ありました。

 結局、エデンもソニアも、マルスが最大の障壁であることは同じだったのだな、と。そこを乗り越えることが出来たエデン、縋り続けてしまったソニア。
 ただしそこには、マルス、そしてメディアからかけられた期待の違いもあったわけで。明暗が分かれた、とあっさり言ってしまうには、哀しすぎるソニアの生き方でした。

 親と子、あるいは旧世代から次世代への継承。そういったものが全体のモチーフとなっているらしい本作ですが、そのなかにあって、相容れることの出来ない関係……断絶を担当するのがエデンとソニアであったのかなと、今さらながら思ってみる。メディアというノイズ、アリアという外部因子があって、分かりにくくなっていますけれど。

 そういう意味で、ソニアと蒼摩(の父親)との因縁はシンプルに分かりやすく、余計な捻りなしに悲劇性が際立っていて、そのへん好きでした。
 出来ることなら、蒼摩に赦されることにより、救われて欲しかった。
 手にかけた相手である蒼摩の父に赦され、手にかけた相手の息子である蒼摩にまた赦される。そして愛される。無償の、究極の、受容。必要なのはそれだけだった。
 ソニア自身がそれを望まず、受け入れられなかったのは、やはり悲劇としか言いようがなく。

 ……とまあ、ソニア方面のドラマについては、申し分なく盛り上がった今回。あとは次回にでも、エデンのフォローが入れば、だいぶ満足。
しかし黄金聖衣の扱いのファジーさはどこまで行っちゃうんだっていう。もう誰でも着られるんじゃないのっていう。
 こまけえこたいいんだよ!でも、まあ構いませんが、作品内でのルールは、もうちょっと明確にしておいてほしいなあ。
 アテナが新旧ふたり居たり、マルスという規格外の存在が居たり、といった部分はOK(むしろ面白く感じる)んですが。
 まあこれは旧作を知っているがゆえに気になるというだけかもしれないです。です。

amazon link

聖闘士星矢Ω 7 [Blu-ray]
 それにしてもアリアの死は作劇上において実に効果的なイベント(という言い方はアレですが)であったことよなあ。そりゃ死亡シーンもリピートされまくるってもんです。
 ソニアにとってのエデン。エデンにとってのアリア。では、ソニアにとってのアリアは……というあたりにも触れてくれたのは、嬉しかったな。