宇宙兄弟#38「11件目のメール」

 合格発表からの記者会見。ってその流れはどうなんだ!
 これは流石に漫画的と言うにも無理があって、これまで基本的にちゃんと現実の社会っぽかった部分をだいぶすっ飛ばしてしまったのが、残念でした。
 というか「合格発表直後に記者会見を行います」という告知があった、と挟んでおくだけで良かったのに。

 あと、時間が押し押しなのに、控え室で「不合格者」と対面する六太、ってのも、ちょっと無理のあるシチュエーションでした。
 憑き物の落ちた溝口あたりを見せたかったというのは分かるんだけど、うーんうーん。

 ……まあ、お話そのものの中心はそこには無いので、流しておきましょう。

 記者会見での六太。
 なんだかんだ言って、まわりの望んでいるとおりの感動的な回答をしてしまうあたり、日々人とはまた違ったテイストながらスター性があるんですよね。
 なのに内心ではものすごくキョドっているところを視聴者に見せて、親近感を生み出す。
 毎度のことながら、作劇のお手本のような。それも、アニメもしくはマンガで、最も生きる手法。
 そう考えると、アニメ化は正解だったんだよなあ。平田広明の起用は大正解。

 まあそんな理屈は置いてといて、今回のクライマックス、11通目のメールは感動的でした。
 まず何よりも「合格おめでとう」の文字だけ読み上げさせない演出が良すぎた。
 不合格者からの祝辞というのは、胸打たれるものがあります。やっぱり。

 そして、託されたこと、託してなお抱き続ける後の者が居ることで、実感する六太、という構図。
 一年の締めくくりらしく、美しく落ち着きました。

 しかし予告では不穏な動きが。てっきり、これを引きに年明けまで持ち越すかと思ったのですが、さすがにそこまで鬼畜ではなかったか。

 4クール目の展開。要注目なのであります。

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 BDはBOXで、DVDは単品で。しかし3話入って約5000円ってのは、やっぱり高いよなー。しかもDVDだもんなー。
 思ったんですが、このアニメ、総集編作ったらどうかしら。劇場にイベント上映かけて。ゆったりテンポが味になっているところ、ぎゅっと凝縮したらどうなるか、見てみたい気がします。実写映画版とはまた別に、忠実な作りのままで。