聖闘士星矢Ω#35「獅子の拳!エデン、傷心の闘い!」
エデンの道を決するエピソード、ということでいいのかな。
儚い幻として現れたアリアの姿は、エデンが自ら招いた生み出したものか、残された想いの欠片か、それとも。
演出・作画に力の入った、見応えのある回でした。
星空のもと、一面に花がひらくシーンは、美しさに思わず息を呑んだほど。
エデンもアリアも、そしてソニアも、たいへん美男美女に描かれていて、久しぶりに目が画面に吸い寄せられましてよ。
ことにエデンがひとつの決意へと至るまでの表情の変化と、壊れた仮面から覗く瞳が雄弁なソニアは、絵だけで語る「アニメ」として、また東映アニメらしい省力で必要充分に語る作風として、完成度がとても高かったように思います。
……ついでにミケーネも凄く思惑ありげなキャラに見えちゃったのはどうなのか、ミスリードになっちゃっていないか心配ですけれども!
物語全体における位置づけとしても、えんえんとうじうじし続けていたエデンが、ついに自らの道を見い出すという、カタルシスのあるものでした。
見終わってふと気がつけば、一方的に殴られてはいるものの、エデンの戦闘行為が無いんですよね。聖衣をまといすらしない。
けれど、確かにこれはエデンにとっては闘いであったのだと、ひしひしと伝わってくる。
死んだ少女の幻を見て、遺品を拾って、きれいな景色を見て、決意する。
と、一行ストーリーにしちゃえばそんなものですが、ほんと、美しい話に仕上がっていて、良い仕事だなあと思いましたです。
ぶっちゃけ星矢って、ストーリーラインだけを抜き出せば、お約束な展開がひたすら続くのみであったりするわけですが、そこにまぶした熱があればこそ「星矢」の名を冠するに値するわけで。
エデンの、悲しみに冷えた熱。おいしくいただきました。今回は本当に、面白かったです。
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聖闘士星矢Ω アルティメットコスモ
PSP版、発売されましたね。レビューを見る限り、いつものバンナムキャラゲーのようで。唯一気になっていた設定資料も、どうやらいまひとつらしく。それってどうなのか。
キャラをキャラとして愛で、動かすだけならまあ有り、みたいな感じ?バンナムってどうしてこう、まるで成長していないのか。