トータル・イクリプス#12「死闘の果て」

 山本伍長は、犠牲になったのだ……。
 普通の感性で、普通にBETAとの戦いに身を投じている青年として、たいへん好印象だっただけに、悲しゅうございました。

 この世界において、「普通」は既に悲愴なものである、ということを示す意味において。
 そして、唯依が、かつての学友に果たせなかったことを、ここで乗り越えるという意味においても。
 文字通りの犠牲。多層的な意味での。

 しかし、最後に、男が女がと言って唯依に微妙に思われるのはまだしも、死亡した後、唯依が当然のようにユウヤとトキメキしてるのは、逆の意味で悲しかったぞオイコラ。

 久々、BETAの怖さ、圧倒的な力、そして絶望的な状況を見せ付けられて、たいへん面白かったです今回。
 迫り来る敵、その中での最後のあがき、義務と責任を全うするための奮闘。願いかなわず、すべてが無に帰すかと思われたところに、救いの主としてあらわれるユウヤとか、まあ素晴らしい。そこまでの緊張感が凄かっただけに、出現の瞬間のカタルシスは半端なかった。

 でもなんだかユウヤと唯依が会話を交わし、ラブコメの雰囲気が漂い始めた途端に、ゆるーっとした空気とテンポになっちゃうのが残念。手当てに時間かけすぎじゃないでしょうか十五分って。それだけの重傷である、ということを、もう少し描写してくれたら、素直に納得できたのですけれど。もったいないなー。いい展開なのになー。

 けれど、次の瞬間、集い来るBETAさんの大群に、思わず背筋がぞぞっとなり。いやあ求めていたのはこれですよ。この怖さ。

 いろいろと満足度の高い回でした。
 ともあれ、山本伍長、お疲れ様でした……。

amazon link

トータル・イクリプス 第1巻 初回限定盤(仮) [Blu-ray]
 BD第1巻、来週発売組なのか。遅い組ですのう。
 レビューが星1から星5までまんべんなくついていて、なかなか喧々諤々面白いです。やっぱり三話以降がネックなんだよな……うん。

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村 アニメ感想ブログ