トータル・イクリプス#10「予兆」

 番組開始前の情報で期待していた要素と、事前には頭に入っていなかったけれど「おお」と思わせてくれる要素と。
 じゅうぶんに見せてくれて、ようやっと見たかったものを見ることが出来た、そんな気がする回でした。

 試験小隊と実戦部隊の軋轢、人類外の脅威にさらされても消えることのない人間同士の差別意識、国家の歪み、企業の利潤と軍部の癒着構造、交差する各勢力間の思惑。
 そういった不協和音をもろともに押し潰す、圧倒的なBETAの侵攻。
 うんうん。

 ユウヤの思った以上の青くささが、ここに来て純粋で実直なものに見え、主人公らしい魅力が増しているのも良い感じ。そして、それに敏感に反応してデレてしまう唯依がまた、ヒロインらしいヒロインになってきていて、素敵です。
 個人的な感情と、軍人としての責務と、上層部のごたごたと。さまざまなしがらみに振り回され、考えて、悩んでる。そんな雰囲気がひしひしと感じられて、通り一遍ではない、「主人公」の片割れを張りつつの「ヒロイン」だな、と。
 主役ふたりを立てつつ、戦友との絆も深めつつ、ユウヤの成長を見せて行く。ほんと順調。

 一方、ソ連の事情については、なんともやるせなく、戦場の、というより、戦争の無情さが打ち出され、物語の厚みが増されていました。驚いたのは、ラトロワ中佐、まさかの子持ち。なんですかそれ素晴らしい。っていうか何歳なんだろう……佐官だし、ある程度以上の年齢とキャリアの持ち主だろうとは思いますけれど。

 ちなみに、今回の脚本を担当した吉村清子氏、わりと好みの脚本家だったりします。人物の距離感を大事にする人だなぁ、という印象があって。

 BETAの脅威が文字通り差し迫り、緊張感と危機感に満ち溢れて終わりました今週。いやあ素直に続きが早く見たい。
 エンディングへの入り方も気が利いていて、うん、ほんと好調になってきた感じ。


トータル・イクリプス D-スタイル 武御雷 Type-00F 篁唯依機 (ノンスケール プラスチックキット)
 デフォルメタイプも出ていたりするんですね。ほんと立体物の展開は幅広くて、楽しめる。しかしこれはブキヤということで、わりとキット慣れした人向けらしいです。デフォルメの場合、組み上げただけでそれなりに見えて欲しいものですが。

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