LUPIN the Third 峰不二子という女#13「峰不二子という女(後篇)」(終)
綺麗に、収まるべきところに、纏め上げてくれた最終回でした。
っていうか完全に1クール=1エピソードといった趣。13話あったので、本編の時間を20分として、260分。
オスカー絡みのあれこれを無くして、行きつ戻りつ感のあった不二子のトラウマ妄想を少し整理したら、映画一本、もしくはTVスペシャル一本分に収まりそうな気もしたり。
結局、本当に必要なのは、第一話と最後の二本くらい、のような気もしないでもない。
それにしても、オスカーと銭形は、完全にお話から浮いちゃったなぁ。というか、銭形。よくよく考えてみれば、物語の中核に全然絡んでいない。銭形が銭形でなければならない役割というものが、何も無かった。オスカー関連以外。
その為のオスカーというキャラクター?って、本末転倒な気もしますが。
まあ、次元と五エ門も、似たようなものなのですけれど。最終局面では完全に蚊帳の外。
五エ門は画面上に出るだけで和み要員というか癒し要員というか空気が違ってしまう面白要員で、それはそれで貴重でした。
ともあれ、終わってみれば、いろいろとすっきり解決し、あるべき場所……ルパン三世の世界へと立ち返って、びっくりするほど爽やかな結末。
今まで引っ張ってきたどろどろ展開が、まるで夢の中の出来事のよう。
終わりよければすべて良し……なのかな?
全体としては、作画と演出のクオリティは時にはっとさせられるものがあり、アニメの表現方法のひとつとして感心させられることも多々あり、見どころがたくさんありました。
物語そのものは、まあ監督とシリーズ構成の名前を見た時点で覚悟しておくべきだったのかもしれませんが、個人的にはあまり好きになれるものではありませんでした。感想にもその気持ちが出てしまっていたこと、申し訳ありません。
しかし、ひとつの作品、「深夜アニメのルパン」として、これはこれで有りではないでしょうか。
実験作という扱いで、今後黒歴史になりそうな気がしないでもないですが、鬼子も許してしまうのが、ルパン三世の世界であるし。
スタッフの皆様、おつかれさまでした。
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Pen (ペン) 2012年 6/15号 [雑誌]
この「峰不二子」のみならず、シリーズ全体を俯瞰した特集を掲載しているという「Pen」。レビューがどれも熱く語ったものになっていて、惹かれます。Penなんて雑誌で、下手なアニメ誌より濃い特集が組まれるとか、ルパンならでは、ですね。