LUPIN the Third 峰不二子という女#12「峰不二子という女(前篇)」

 いろんな意味で濃厚で、おなかいっぱいになりますね、はい。

 ひたすら壊れていく(各々、様々な意味で)キャラクター達を、俯瞰して眺めるのが、この作品については正解かもしれない。
 まずはオスカー。生存はまあ有りそうとは思っていたものの、死んでいた方が美しくはあっただろうなあ。というか、銭形退場装置として機能するのか。うーむ。
 五エ門。本気で徹頭徹尾、不遇なコミックリリーフなのか!まさかの女装に、顎が外れそうに。割と情けないけれど、これはこれでおいしい役回り……なのか?
 不二子。主役として作品タイトルに名を冠されていながら、とにかく精神的に追い詰められていくばかりの不遇さ。そしてキレて銃乱射しちゃうとか、あまり美しくないなあ……。

 ルパンと次元の、未だぎくしゃくしつつ、相棒らしくなっていっているところは、見ていて救いというか、楽しゅうございました。
 次元って常に「ちょっと鈍感」な、いわばワトソン役なので、これまた不幸っちゃ不幸ですが。そのぶん特化したプロフェッショナルでもあるし。
 ルパンは、ここ数話と比べて、飄々とした雰囲気を取り戻していて、なおかつダーティでアダルトな印象は強まり、ほんと格好よい。

 遊園地の仕掛けや、不二子のトラウマに関する描写は、個人的には、悪趣味というよりは下品に感じられ、見ていて圧倒されたり面白がるよりは不快感が勝ってしまい、残念です。せめてなにかひとつ新鮮さがあればいいんだけどなあ。ミステリアスな雰囲気よりも、ホラー映画の定石っぽさが際立っているというか。
 それもまた、あえて狙ってやっている可能性は大きいですが。

 しかし作画はアクション中心にとにかくキレキレで、見ごたえがありました。とにかく全体にクオリティはとても高いと思います。この作風にノることが出来た人には、至高の作品となることでしょう。
 それもこれも、最終回次第という気もしますが。

 次回、最終回。どういう〆を見せてくれるか。

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ルパン三世 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)
 初代、もしくは原作に近いルパンになるかと思った人も多かった初期……の気持ちを振り捨てて、とりあえず原作を読んで心を落ち着けるというのはどうですか。どうでしょう。
 そういえば私も原作をきちんと読んだことって無いや。この機会に読んでみるべきか。これは文庫版ということで、絵の小ささに非難轟々のレビューが若干気になりますが。

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