あの夏で待ってる#12「あの夏で待ってる。」(終)

 しっとりとしめくくった、と思ったら引っ掛けたり洒落たオチを入れたりと、なかなかに気の利いた最終回でした。
 映画演出は反則だよなー……うん。反則だ。とにかく演出の見事さに押し切られた感がありました。
 うっかりじんわり泣けちゃったよ。主人公カップルに全然感情移入していないのに。

 というか、海人&イチカにもっともっと想い入れさせることが出来ていたら、もっともっと泣けたし感動できた(「泣ける」ことと「感動する」ことは別物、という持論)と思うのに。もったいないなぁ……もったいない。
 少々あざとくなってもいいから、海人の初期の怪我(死亡?)を気に病むイチカの掘り下げをするとか、あるいは海人が両親を亡くしていることに絡めて、擬似家族的に依存してしまうとか。もっとそういう濃密な絆を育む過程が見たかったんですが、サブキャラの人間模様にかなりの尺を割り振って、青春群像劇を目指した分だけ、メインの恋愛については手薄になってしまっていた感。
 思い返せばけっこうぐだぐだしていた気もするんだけど、なんでだろう。なんでこう、印象が薄いのかなあ。柑菜とか哲朗とか美桜のけなげさが、見ている者の心をだいぶ持っていっちゃったからかなあ。
 ということは、そっちの側面から見ると、成功なのか。うーん悩ましい……。

 ともあれ、お話そのものは綺麗に収束しており、また前作(と呼んでいいのかな?)ファンに若干のサービスをしつつ、前作を知らない視聴者にも疎外感は持たせない作りには脱帽。いや前作まだ二話までしか見ていないので良く分かりませんが、声優からして、そうなんだよね?そうなのかもね?と思いました。知っていても同じようなものなのかな。もう少しバックボーンが分かるのかな。
 おねティ早く見なくては。再放送録りためてあります、ええ。TOKYO MX大好き。

 シリーズ通して、強く印象に残ったのは、やはり青春で片想いで恋愛で夏。懐かしく切ない思い出フィルターを通す、その象徴であった映画撮影。
 イメージははっきりと、心に焼きつきました。ブレずにめげずに1クールを走り抜けた物語として、格調高い作品になった、と思います。

 個人的にいちばん印象に残ったのは、戸松遥演じるイチカの声かなぁ。おっとりと優しく、どこか色香のある、本当に素敵なお姉さん声で、いつもドキドキしながら聞いておりました。最終回もその魅力が炸裂。泣き声は本気でやばかったつられて泣いた嘘ですいや本当です。

 出来れば、夏に見たかったけれど。
 面白うございました。スタッフの皆様、楽しい作品をありがとうございました。

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 なぜスク水タペストリー。とりとめ無さすぎだろゴルァー。
 放映終了と同時に、ざこざことグッズが出始めるのなー。アニメってなー。というか放映開始とほぼ同時にざこざことグッズを出すアニメもあるにはありますが、やっぱりそれは賭けになるものね。

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