ちはやふる#25「もれいづるつきのかげのさやけさ」(終)

 原作未完ながら、必要なもの、欲しいものをじゅうぶんに見せてくれた最終回でした。
 いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ」ENDになるかと恐れておりましたが、いや実際そういう空気もあるにはあるけれど、それよりも第一話の冒頭に返ったことで、一周めぐってきたという印象が強くなっており。
 おかげで、話そのものは全然途中だし何の決着もついていないのに、ちゃんと完結したなぁ感がある。力技ですが、力がなければ出来ない技、でもありました。

 それぞれのキャラクターのそれぞれの決意と現状と、憧れとを描いて、見ているこっちが励まされるような気がしました。若いっていいな。青春っていいな。
 細かいところが実に良くて、例えば名人戦でずっとノートを引っくり返している机くんとか、太一からの着信で実に嬉しそうな顔をする新とか、部室争奪戦でうっかり墓穴を掘っちゃう宮内先生とか。
 しかし中でも出色はやはり奏でしょうか。専任読手を目指すという夢はとても奏らしくて素敵なんですが、あまりにも狭き門であったという。実際、検索してみたら2010年の記事がヒットしたのですが、全日本かるた協会の専任読手は東西あわせて8人しか居ないとか……。
 凄い世界だ。

 この作品、ずっと思っていたことですが、とにかく音楽が前面に出ていて(普通のアニメよりもBGMが大きめだったような気がする)それが美しく芳しく響く楽曲ばかりで、演出において大きな役割を果たしていました。
 最終回に来て、さらに一押ししたように、音楽の美しさ、力強さが、感動を何割増しにもしており、見ているだけ、聴いているだけで本当にしみじみと沁みる。うっかりサントラが欲しいような気がしてきたり。

 作品全体について。前にも幾度か書きましたが、原作の少女マンガらしい微妙なえぐみを上手に解きほぐした脚本、素晴らしかったです。個性的だったりアクが強かったり大ベテランだったりのスタッフを迎えての演出・絵コンテは時に神がかっていました。
 そして前述の音楽の良さと、作画の超安定っぷり。ほんと良作でした。

 ああ、何度も何度も何度も言っていますが、本当に二期やって欲しい。まだまだおいしい場面、おいしいキャラ、いっぱいあるのに。いるのに。
 ひたすらに二期を願いつつ、こんな素敵な作品を作り出して下さったスタッフの皆様に、感謝を。
 ありがとうございました。半年間、本当に楽しませていただきました。

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 かなちゃんが麗しくも可愛らしい、BD5巻ジャケット。
 そんなに好きならBD買えって?いや、むしろDVDを買って、母親と一緒に見たいなぁとか。良く分からないことを考えています。実家、リビングにはBDプレイヤーが無いのよね。

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