あの夏で待ってる#11「行かないで、先輩。」

 お姉ちゃんとともに、クライマックス、到来。

 いつか帰還を迫られる日が来るだろうし、それがおそらくは終盤の盛り上がりになるだろうと予想はしていたので、驚天動地の展開というわけではありませんでしたが。むしろそれ以外のストーリーだったら驚く。凄く驚いたと思う。

 でもまあ、逆に言えば、待っていたものが来た、という感じでした。

 錯綜する恋愛模様を、それぞれがそれぞれの意思を明確にすることによって乗り越えて。
 見ないふりをするわけではなく、苦しくても飲み込んで、自分の中の力にしている、という印象がとても強くあって、ああ青春だなあ……いい子たちだなあ、と。思わずババアモードになってしみじみしてしまうわけですが。

 ことここに至って、イチカの記憶の中の風景を探すことが重要な鍵となるのも、美しい予定調和で素晴らしい。
 友情&恋情(?)パワーで、みんなで一致団結して捜索にあたるのも素晴らしい。カタルシスの塊のような。
 果ては、「ここはオレに任せて先へ行け」展開だし。いやあ哲朗格好良いな。美桜けなげだな。柑菜潔いな。檸檬先輩は……まあ、謎?

 しかし、盛り上がっているし、サブキャラ達はみんな素敵に輝いているのですが、比較すると海人とイチカについては今ひとつ普通のテンションになってしまう不思議。いやドラマチックではあるんですが、応援する気持ちはあるんですが、どうもバカップルぶりを見せつけすぎじゃないかしらっていう。膝枕って何っていう。柑菜も居るところで、なかなか凄い無神経っぷりですよ君たち!
 ……ま、そのへん、来週の最終回では、いろいろ盛り上げてくれるのかな。感情移入させてくれるかな。

 あと一回。待ちます。

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あの夏で待ってる 1 (電撃コミックス)
 こちらはコミック版。
 絵柄はだいぶアニメとは違っているようですが、これはこれで魅力的。表紙の色調は雰囲気出ているし、なかなか良さげです。しかし小説はMFから出てコミックは電撃から出るのか。うーむむむ。

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