ベン・トー#12「国産うなぎ弁当 790kcal」(終)
最終回が始まったと思ったら、なんと、OPがEDだった。そして、EDがOPだった。何を言っているのか以下略。
しっとりとした雰囲気で、なにやら叙情的に幕を開けた最終回。
風邪引きの先輩を気遣う佐藤さん男前す。なのに狼仲間たちに変態連呼される佐藤さんマジかわいそす。
ベン・トーという作品そのもの、というより、オルトロス編の最終回、というおもむきの強い話でした。
ヘラクレスの棍棒こと石田彰がラスボスって、なんか二つ名とミスマッチだなぁと思っていたら、どちらかというと深慮遠謀タイプだったので納得。と思ったら、やっぱりムキムキになって戦っていたりもして、何がなんだか!
オルトロス姉妹がどのようにして追い詰められたか、どのような過去があったのか、については、なるほどこういう切り口があったのかと感心させられました。
同じ戦場にすら立たせない、立たせてもらえない、という。確かにこれは辛い。強者ならではの孤独、というやつで、それゆえに狼の中でも強さの抜きん出ている(……だよね?)氷結の魔女に固執していた、と考えると、筋が通ります。
いろいろ納得しましたが、ここでもう一押し、この事件があったから、裡にこもった姉妹での百合百合共依存関係に陥ってしまったとでも匂わせてくれていたら、完璧だったかも。そこまで理屈を求めるのも野暮ってものですが。
クライマックス、佐藤の行動、そして他の狼達の行動は、なかなかに熱くさせてくれるものでした。やはり真正面、正々堂々と勝負。それゆえに、犬ではなく、狼なのだから。うむ、格好良い。
ヘラクレスの棍棒氏の噛ませっぷりも、胸がすく思い、だったのですが、いざオルトロスとの決着を!と思ったら、そこは描かれずに終わったので、若干肩透かし……でした。
あれー。あの闇のカゴをどう打ち払うか、佐藤の活躍とか著莪とのコンビネーションとか、見たかったのになあ。あれー。氷結の魔女との対決も無いのかぁ。
というか、てっきり佐藤は先輩を呼びにいったと思いました途中で。おんぶしてスーパーに現れるのかな、とか、妄想しつつ見ていたんです……はい……夢見がちでした。
まあ、そのへんは、ラブラブ?な先輩とのうなぎ弁当シェアで補完(?)ということでしょうか。
お腹一杯にして視聴に臨んだのに、うっかりうなぎが食べたくなってしまいましたのことよ。
ともあれ、完結。
半額弁当の奪い合いという一発ネタを、これほど面白さを持続して見せてくれたことに脱帽でした。
狼の設定いろいろがツボ。二つ名とか、専門用語各種がまた楽しくて。セガ押しも楽しかった。
ゆりゆりーな女子キャラの扱いについては、若干ついていけない部分もありましたが、これはまあしょうがない。男子諸君は嬉しく思うものもあるのでしょう。
しかし一番の影響は、半額弁当を買いにスーパーへ行く時、なにやらハードボイルドな雰囲気を身に纏い、狼の精神を心に抱いて出陣する癖がついてしまった、という。
うん、楽しゅうございました。
スタッフの皆様、おつかれさまでした。ありがとうございました。
◆amazon link
ベン・トー サバの味噌煮290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
個人的にアニメを見ていて「ん?」と引っかかったところは、感想その他を探してみると、ほぼすべてが原作からの改変らしいので、これは原作小説を読んでみるべきかなぁ。と、ちょっと思っています。
アニメもそうだったけれど、原作もやはり弁当を用意して、お腹いっぱいで読み始める覚悟が必要なんだろうか……。