機動戦士ガンダムAGE#1「救世主ガンダム」

 なんといっても今期、台風の目。に、なってくれなきゃ困る作品。個人的にはレベルファイブのアニメとは相性がいまひとつ良くないのですが、出来る限り先入観を取っ払って見てみよう&感想を書こうと思っています。

 とりあえずの感想としては、ガンダムの第一話……というか、ロボットアニメの第一話として、必要な要素をコンパクトにきちきちと詰め込んであったな、と。
 主人公登場、ハロ登場、ヒロイン登場、大人に頼りにされる、登校、クラスメイトに侮られる、敵の襲撃、ヒロインとともに避難の途中でガンダムに搭乗する。
 書き出すまでもない分かりやすい要素の羅列ですが、これらの根幹部分については、正直もう少し見せ方を工夫して欲しかったな、と思わないでも無かったり。

 しかし考えてみたらこの作品、「子ども向け」「原点回帰」を謳っているのでした。
 そういう意味で、ひたすら分かりやすい第一話、主人公がすんなりと歓迎されつつガンダムに乗り、労せずして敵を追い払う第一話は、目的にかなっているのではないでしょうか。
 と、考えると、大人キャラクターの描き方の単調さにも、納得が行きます。教師の物分りの悪い頭ごなしっぷりと、対極の軍人達の理解の示しっぷりは、いずれも、子どもから見た類型的な否定であり、理想的な肯定であるのだろうな、と。

 SFとしての見どころもまだまだこれからのようですが、宇宙に浮かぶコロニーの図にはやっぱりときめきますね。この先おそらく宇宙に出ることになるのでしょうけれど、ガンダムならではの宇宙空間の描写に期待したいところであります。
 キャラクターはいまのところ、主人公のフリット君は、辛い過去を引きずりつつ前向きにも歩き出したい、けれど戦いの記憶と復讐心に縛られている……といった印象で、明るく元気なタイプの男の子ではありませんが、今後の、ガンダムらしい、戦いとともにある成長に期待です。ヒロインのエミリーについても同様。
 あとは、サブキャラに、肯定であれ否定であれ、自立した意志をきちんと示す大人の描写が欲しいな、という気持ち。

 子ども向け作品では、大人を格好良く描くのは、絶対に必要なんですよ。大人をディスるだけじゃ、良質のジュヴナイルにはなれない。
 昔々のSFジュヴナイルを読んでみれば分かります。父親であったり、教師であったり、必ず、頼りになる、強い意志を決定力のある大人の登場人物が居る。
 格好良い大人を示してあげられなくて、何が子ども向けか。

 ここまでの感想、子ども向け、という点ばかり意識しすぎてしまいましたが、ともあれ、大人が見て楽しめないものに仕上げているはずは無いし。以前「三話まで見て欲しい」という発言を見かけているので、しばらくは、おおらかな気持ちで見守りたいと思います。

 ところで、一番の見どころはEDだったと思うんですが。個人的に苦手なレベルファイブのあの手のキャラですが、西田亜沙子の手にかかると、あんなにも叙情的で物憂げで愛らしい絵になってしまうんだな、という。
 アニメーターの力、偉大です。

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