ちはやふる#1「さくやこのはな」

 原作既読です。ほぼ最新話まで。いや、これは素晴らしかった。文句のつけようのない第一話でした。千早かわいいし新かわいいし太一うざいし(えっいや良い意味で)キャラの顔見せ、物語のスタートとして、満点の出来。

 出色は演出。高校生の姿をチラ見せした後、回想として小学生編に入るところ。千早のモノローグからの自然で美しい流れにより、単なる過去編ではなく、想い出として純化した小学生時代の情景を切り取ったようにも見えて、感情をかきたてられるものがありました。

 原作では個人的に千早にはイラッ☆とさせられることがたびたびあったのですが(残念な性格と言動の「ダメ美人」ということで、それはキャラの個性としてあえて描写されている部分なのでしょうけれど)、アニメはとにかく絵の美しさ丁寧さと、声の演技の爽やかさで、可愛いなぁとほのぼの見守ることの出来るヒロインとなっていて、一安心というか感動。
 とにかく千早@瀬戸麻沙美が良すぎた。さすが現役女子高生というか、それを最大の武器として活用しているなぁという感じで、好感度高し。
 なんとなく、エスカフローネの頃の坂本真綾を思い出したりして。

 現在・過去とも、千早、新、太一の三人が、主人公として明確に打ち出されていたのも、安心して作品に乗っていける重要な要素だったかと。
 高校生の太一の、ひそかに屈折していそうな様子と、天然鈍感まっしぐらの千早に、思わずやきもきして。
 小学生の太一の、明らかに気があるゆえに苛めてしまう様と、やっぱり天然鈍感な千早に、微笑ましくなり。

 かるたのシーンの表現も、なかなかに楽しめるものでした。スピード感もじゅうぶんに出ていたかと。
 素人相手に取りまくる新がおとなげないけど、そういえばこどもだった!千早の天才性もきちんと伏線として出されており、今後に向けてわくわくさせられます。

 ともあれ、第一話、楽しゅうございました。期待期待。既読者としては原作のどのへんまでをアニメ化するのかが気になりますが、素直に楽しんで見ていけそうです。
 キッズ向け以外で、明るい雰囲気で楽しめるアニメがキープ出来て、良かった良かった。

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 原作コミックス。1巻は小学生編、2巻の途中からやっと本編とも呼ぶべき高校生編に入ります。手を出すのであれば、2巻まで、あるいは3巻までのまとめ読み推奨。
 きちんと「熱」を持った、面白い少女マンガです。各マンガ賞総なめは、ちょっとプッシュされすぎだなぁと思いますが、読んでみればそれだけの価値は有り。