TIGER & BUNNY#24「Nothing ventured,nothing gained. (虎穴に入らずんば虎子を得ず)」

　そういう引きに持っていくとは予想外で……予想外すぎて……。
　わたくしUSTで先行視聴の後は、三食に一食くらいの割合でチャーハン食べてます。えっ。それ毎日やん。えっ。

　今回の目玉はやはりH-01との戦闘。サブに他のヒーロー達の葛藤を織り込む、という構成でした。

　葛藤で面白いと思ったのは、迷ったり動揺したりの描写をされるのは大人組の担当になっていること。
　楓を託されたという意識があるがゆえに、生き残らねばならないのでは、と悩むロックバイソン。
　一蓮托生よりは少しでも勝利の確率を上げるために、ひとりでも生き残るべきでは、と悩むスカイハイ。
　勝算をはかりつつ、心の弱い者を予想したり、ただ歯噛みするばかりのファイヤーエンブレム。

　半信半疑あっちこっちな大人組に比べて、やけに落ち着いている年少組、ブルーローズ・折紙サイクロン・ドラゴンキッド。
　彼らは前半で主役コンビと絡むエピソードのあった面々なので、信頼が深いという考え方があります。
　が、そこからさらにちょっと進めて、若いからこそ、真っ直ぐに信じることが出来るのかもなあ……とか。いい年した大人としては、考えちゃうわけですよ。

　一方のH-01との戦闘は、閉鎖空間を舞台としたために若干狭苦しいアクションになっていたなぁという感じ。
　ここに来て作画にはなかなかの人員を揃えてきただけに、ちょっと残念でした。何度も何度もぶつかりあって、ぶつけられて、の繰り返しで、単調になっていたような。久々のスーツでの＆コンビでのアクションシーンは、見ているだけで眼福でありますが。
　けれど考え方を変えてみれば、むしろこの泥臭さゆえに、見守る他のヒーローたちに、決意を抱かせることが出来た……のかもしれません。
　実際、恋心もあって最も真摯に見守っていたブルーローズの放った言葉が、みなの心をまとめたわけだし。
　でもって、楓の能力はここでも便利に使われて、ロトワング撃退。いやあ正直チートすぎるよねとは思ったものの、ブルーローズに最後に触っていたのが、きちんとこれを見越した伏線だったことに感服しました。

　H-01との戦闘、大詰め。
　羽交い絞めにした時点で、ああ、これは……と思ってしまった。
　その後の会話の流れと、回想シーンでは瞳が光っていないことから、羽交い絞めにした時点で能力が切れるのは分かっていたor切れていたんだろうなあ。
　そしてまあ、問題のご臨終（？）シーン。

　この一連の会話の流れ、最初に見た時はこっ恥ずかしいし泣いていいのか笑っていいのか分からないしいやだって死ぬわけないでしょ？とか頭が混乱しまくっていたのですが、あらためて見返すと、なんか凄い。
　ありがちな死に台詞をひとつも使わず、これまでのエピソードをきっちり踏まえて、とことんこのコンビらしい会話の応酬に仕上げてある。とくに8話を踏まえた「元気だけが取り得のはずでしょう！」という台詞が秀逸でした。これで、やべえ泣くわ……と思ったら、チャーハンですとんと落とされて、目元じんわりしたままニヤニヤ笑ったりして、もう何がなんだか。

　あと、個人的にガツンと来たのは、この極限状態で、バーナビーの精神的成長が分かる流れを入れてあること。
　虎徹が能力減退のことを隠していたと知った時ですが、これ1クール終盤のなんちゃって信頼関係の状態だったら、ひたすら怒ってしまうんじゃないでしょうか。なのに、今の彼は、むしろ気づけなかった自分への悔悟に向かっている。なんか……凄いな。

　ともあれ、声優ふたりの素晴らしい演技もあって、泣ける、けれど笑える、いまひとつ格好つかない、でも悲しいもんは悲しい、リアルな会話を堪能できる名場面でした。

　いやあしかしこれ……どうすんの。どうなるの。どうしよう。どうしたら。

　そんなおかしなテンションで日曜日の朝はファミマに走りました。
　来週は最終回イベント、行って来ま……す。
　ちくしょう行くつもりなかったのに。ちくしょー。

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