TIGER & BUNNY#20「Full of courtesy,full of craft. (口に蜜あり、腹に剣あり)」

 だいぶショックだったのはバーナビーさんがマーベリックさんの手料理はあっさり食べてたことだ!
 そして、虎徹チャーハンとは海老の格が違いすぎて、涙を誘われた……。

 これ以上辛い展開に落とされることも無いだろうと思っていたら、さらに落とされてしまったでござる。
 直球豪速球ストレートど真ん中な展開ながら、そこに至る過程と描写の面白さに、ついつい見入ってしまう。それが、タイバニクオリティ。

 虎徹が孤軍奮闘する展開になるんだろうな、と思ってはいましたが、ここまで文字通り孤立してしまうとは。
 しかもその方法が、サマンサ殺害容疑(サマンサ、本当に死亡してしまったのかな。まだ一縷の希望を持っていますが……サマンサにせよバーナビーにせよ、報われなさすぎなので)により指名手配されてとか、マーベリックさんマッチポンプだよマーベリックさん。

 ヒーロー全員を集めた時点では、てっきり、HERO TVの仕掛けとして虎徹を犯人に仕立てようという提案をするものかと思っていたので、全員の記憶を書き換えちゃうよ! には、吃驚暁天。
 よくよく考えてみれば(みなくても)とても危うい計画ですが、ぱっと思いついた瞬間に、素晴らしい考えに思えてしまったのではないでしょうか。
 コーヒーのフェイントにせよ、サマンサ来訪にせよ、バッヂのフェイントにせよ、虎徹が、意図せずにマーベリックを虚仮にする……というか、心臓に悪い思いを何度もさせることとなっていたので、それに対する意趣返しの側面が多分にあるのだと思います。
 己がエリートであるがゆえの苛立ち、であるかと。
 逆に言えば、マーベリックにこの苛立ちを与えたことで、襤褸を出させる結果となるのではないか、と思ってみたり。 

 事態は深刻で、サマンサの描写は見ていて辛かったですが、とにかく虎徹のメンタルが安定しているので、「ああどうしよう大変だぁ〜」とある意味大変さを楽しんで見ていられます。終盤、警備員に取り囲まれるシーンも、さすがの熟練というか、普段は残念おじさんのくせに、ああいう局面では憎らしいほど落ち着いて対処出来るのが、やっぱり基本的に「大人格好良い」キャラなんだなと。
 一方のバーナビーはメンタルぐらぐらですが、それは、まあ、いつものことなので……ねえ?
 他にも、ヒーロー達のトレセンでの一連のやりとりや、久しぶりのスーツでのアクション、そして「来たぞ!ワイルドタイガーだ!」に、ニヤニヤ。楽しい楽しい。
 やっぱりなあ。アクションシーンがもっと見たかったなぁ。ドラマ性重視の今の展開も、しっかりみっしり楽しんでいますが、その上での贅沢。アクションも見たい、うん。それも「バディ」アクションが。

 そういえば今回、エンディングを見ていてふと思ったのですが、あの演出は今の展開を示唆するものなのでしょうか。
 虎徹の一枚イラストがちぎれて消えていく最初の部分。あれが、記憶から消されてしまうことを表しているのかも……と。まあ、深読み深読み。
 だとしても、最後はカラーで、全員集合してこっち見んなじゃなくてこっち見てるわけで、そういう意味では安心材料かも。うむ。

 次回、どう話が動くか。予告を見る限り、楓とユーリが鍵になりそうですが、予告詐欺常習だからなーこの作品。
 でも、ルナティックには期待しちゃう。まさかの虎徹との共闘(広い意味での)来るのかしら。かしら。

 毎回毎回、次の展開が気になる。考える。妄想する。友人知人と語り合う。
 アニメオリジナル作品の楽しみが存分に。

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 6巻のジャケットはどうやらスカイハイさんになるようですね。でもって限定版付属のドラマCDが、「ユーリ・ペトロフの憂鬱なる日常」って……! 楽しみすぎて禿げそうですよ。