TIGER & BUNNY#15「The sky's the limit... (限界は空高くに…)」

 待ち望んでいたスカイハイ当番回
 同時に、2クール目のカラーを見せてくれる回でもあったような気がします。

 1クール目では、カリーナ・イワン・ホァンと、十代と思われるキャラクターの個別エピソードがありました。
 大人組のファンとしては、じれったく思いもしましたが(この三人も好きですよ念のため)、こうなってみると、意図のあったことなのかなあという。
 すなわち、2クール目では、より大人に焦点を当てた物語を展開する。そのために、若くて青い言動のキャラは、早々に固めておいたのではないか、と思ったわけです。
 しばしば耳にする「2クール目が、本当に書きたかった物語」というスタッフの言葉と、かけあわせての解釈。まあ、ひとつの妄想として!

 スカイハイの恋ということで、どんなお話が展開されるか、楽しみにしていた今回。
 予想というほどの予想はあえてせずに、まっさらに見ていましたが、思ったよりもずっとビターな内容と結末に驚かされました。
 自動応答するだけの機械人形に寄せた想いは、文字通りのひとり相撲。
 真意を吐露することによって得た答えもまた、自分自身の中にあったもの。
 愛しく感じ始めていた相手を、知らずに完膚なきまでに破壊し、歓びの声をあげる。

 なんという皮肉。

 しかも、これらの一連の流れを知っているのは、ただ視聴者のみ。
 やるせなさを知るのは、味わうのは、視聴者のみ。

 なんという至福。

 エピソードの作りそのものは、たいへんベタで王道なんですが、視聴者の見ている世界とキャラクターの見ている世界を上手に描き分けることにより、安易なお涙頂戴ものになることを悠々と回避している。
 なおかつ、単なるキャラへの感情移入ともまた違った、物語を俯瞰することによる歯痒さ、切なさを醸し出しているあたり……視聴者と作品の距離の取り方が、上手いんだよなあ、大人向けを標榜するだけのことはあるなあ、と。
 堪能いたしました。

 並行して、主人公二人の方にも、各々別方向から危機的な要因が噴出していたりして、目が離せない。
 ブルックス夫妻がロボット工学者ということが伏線かも、とは初期から言われていましたが、とうとう出てきたなあという感じ。
 虎徹の能力の異常については、もう本気ではらはらしつつ見ています。引退エンドだけはやめて欲しいよ……ね……。
 無いって信じていますけれど。

 個人的に、同じくらい気になっているのは、ヒーロー業に対する、ふたりの思い入れの差異による齟齬。
 葛藤と対立は、いつだって、ドラマの良質な燃料です。
 ぶつかりあって、傷つけあって、そこからまたバディとしての絆を築いていく。素晴らしいじゃないですか。

 期待しています。

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 これかぁ。元ネタ。
 スパロボやらないので、寡聞にして知らず。監督つながりでチェックしてみたい……ような気はしていますが、いきなりBD買うのは勇気が要るよー。

 監督つながりなら、どっちかってKARASの方が見てみたいです。


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 えっ何これ6話(全話)が1枚に入ってアマゾン価格で8,000円弱? 特別価格版?
 うわやばいこれはポチってしまいそうな。元からけっこう気になっていた作品だけに。

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