BD『地球へ…』(1980年映画版)

 購入いたしました。
 1980年の懐かしすぎる映画版。ちなみに2007年のテレビアニメ版とは、原作が同じ素材というだけで、スタッフその他まるっきり別物であります。

 パッケージはごくシンプルに。いわゆる一般作品と同じ、トールケースのみ。ブックレットはありますが。

 しかしこのブックレットの解説はなかなか読みごたえがありました。演出意図について、実写畑の監督がアニメ作品を「撮る」ことになった時にどういった発想でもって取り組んだのか、良くわかるものになっています。

 そして、特筆すべきは映像特典。
 当時の予告のほか、原作者・竹宮惠子、監督・恩地日出夫、田宮プロデューサーのトーク。そして、目玉として、本邦初公開の未公開シーンが収録されているという。
これは嬉しいというか、よくぞお蔵入りのまま消滅せずに済んだものだなぁというか。ちなみに、原作者である竹宮惠子に贈られていたそうです。

 ファン感涙。
 線画と、一部はさらに簡単な人物だったり、着色されている部分もあったり。長さは一分ちょっと。

 未公開となった理由は、アフレコ時に絵が間に合わず「絵のないものに台詞を合わせて演技は出来ないだろう」という恩地監督の判断によるもの、だそうです。
 該当するシーンは、マツカというキャラクターの死亡シーンなのですが、マツカの声って、デビューから間もない薬師丸ひろ子があてていたんですよね。演技経験の未熟な女の子が絵なしでやるには難しいシーンである、という配慮もあったらしい、と。
 いずれにせよ、ファンとしては嬉しいものです。

 本編は今見てもいろいろとエポックメイキングなところのある抒情的なSFとして楽しめるかなぁ、と。
 貝殻モチーフの宇宙船や、漆黒の宇宙空間、ミュウという存在の神秘性。もともと原作の持つ女性的な部分と、監督その他映画スタッフの男性性との融合が、面白い結果を生み出している……ような気がします。
 キャラクターデザインは須田正己。原作のテイストを色濃く残しつつ骨太に仕上がっていて、後年のテレビシリーズの結城信輝との違いもまた面白いかも。

 しかし、昔の印象通り、秋吉久美子の棒っぷりは酷いものだった……。主要人物みな実写俳優が起用されているわけですが(コスプレしてアフレコしたって本当ですか?)他はまあいい感じだったり許容範囲内だったりすごくハマったりといろいろなんだけれど、秋吉久美子のフィシスだけは擁護不能だわ。神秘性を出していた……のかな……。
 ちなみにサブキャラクターには当時の人気&実力声優が多数出演していたりします。トォニィの古谷徹、シロエの神谷明、カリナの小山茉美。マザー・イライザの池田昌子、アルフレートの塩屋翼等々、豪勢。
 あとは、ダ・カーポの主題歌も、耳に残る名曲でしたねぇ……。

 懐古しつつ、しみじみと。
 ひとつの時代の記録として。

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