神さまのいない日曜日#11「三年四組 II」
三年四組の真実と、ディーの抱いた想い。
正直、ここまで、ディーという人物はあまり好きではありませんでした。というより、関心がなかった。いわゆる、憎んだり嫌ったりするよりも酷い、無関心というやつですね。
それが、一気に惹きつけられました。
彼女の抱える悲劇性に。抱いた淡い想いに。
っていうか元々は内気で大人しい少女だったって、反則ですよ反則。アリスはクラスの人気者なスポーツマンだったって、それも反則すれすれ。
今の彼らから受ける印象とは、まるで違っていて、そこがまた痛々しいのだな。
ディーが畏れているのは、自分の死が世界に受容されてしまうこと、真実の死の訪れではなくて、アリスに、三年四組(=世界)と天秤にかけられること。
アリスが、ディーを見捨てること。
単純に見捨てるというには語弊のある状況ですが、ディーにとっては同じことなんだろうな。
天秤を持つのはアリス。一方には世界、もう一方にはディー。
そこに、アイという新たな分銅が乗せられることによって、ディーの心にはさらに亀裂が入ってしまう。
実際には、アイは分銅というより、天秤を体現しているような立ち位置ですが、ディーにはそうは見えないであろうことは察せられます。
ラストシーンで、アリスの隣に立つアイを見た時のディーの表情は、心が傷つく音が聞こえるかのようでした。
この切ない感じ、傷つく感じが、最大の持ち味なんだよなぁ。この作品の。
そして、とても好きな部分なのであります。
次回、最終回。OVAの一話を残しているのが甚だ不安ではありますが、ひとつの区切りは着けてくれますように。
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神さまのいない日曜日VII (富士見ファンタジア文庫)
原作は現在、8巻まで刊行中。9巻で完結の予定、らしいですが……レビューをちらっと見たところ、だいぶ波乱の展開になっているらしく。ううむ。ドキドキ。っていうか二期やれば完結までアニメ化出来そうですが……無理か……な……。