神のみぞ知るセカイ 女神篇#2「スクランブルフォーメーション」

 急ピッチで行われる女神探し。
予想はしていたものの、ほんとにもう物凄いスピードで進行していって、アニメでは割愛された攻略対象キャラはもとより、前シリーズで丁寧に描かれたキャラクターまでも、ほんの1シーンや2シーンしか出番が無いのは、実に淋しかった……。

 しかし、この思い切った取捨により、物語そのもののスピード感は素晴らしく増しております。
 ことに、かのんの負傷から、桂馬が真摯に女神探しへと乗り出す流れは実に熱く、彼の一本芯の通った部分をはっきりと打ち出してもくれて、見ていてとても小気味良かった。
 ただ言動の表面だけを受け取れば、たいへん冷たい人間のようですが、勝負師(ギャルゲーの!)としての実力と経験を最大限に引き出し、フル回転で戦う決意をしている。それがきちんと読み取れるように描写されているから、見ていて感情移入してしまうし、感動してしまうし、女子キャラクターが惹かれるのも良く理解できる。

 で、女神探しにあたって持ち出した理論がまた、この作品ならでは、この主人公ならではのもの。
 桂馬は、いわゆる主人公補正を所有している……というよりは、「主人公ポジションに祭り上げられている」わけですが、それをいつものゲーム:リアル脳解釈のみならず、何者かの意思が介在することを匂わせているのが、さりげにすごく上手なバランス取りなんじゃないのかな。と思います。
 作品内での自覚が、メタレベルでの自覚とも受け取れる。あるいは、その重ね合わせ。
 本当に、この作品ならでは。この主人公ならでは。

 それにしても、女神候補は五人、女神は四人。ということで、桂馬と関わりの大きい女子のうち、ひとりだけが女神ではないというのは、けっこう切ない状況です。
 ちなみにこの五人の攻略女子の中で、わたくしの贔屓は栞が一等賞、次点でちひろ、だったり。ちひろはアニメのキャラデザが可愛くなりすぎていて、逆にちょっとアレですが……。
 誰の中に、女神がいるのか。
 むしろ、誰の中に、女神がいないのか。

 時間を限られての再攻略という、物理的にも精神的にもしんどい戦いに、桂馬が如何にして挑んでいくのか。
 アイドルなエルシィが意外といいよエルシィかわいいよエルシィ。バディなハクアが期待通りにいいよハクアかわいいよハクア。等々、硬軟とりまぜて見どころは満載。
 楽しゅうございます。神にーさま格好良い。女子たち可愛い。お話おもしろい。もう最強なんじゃ。

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 女神篇、原作ではこのあたりからスタートだったっけ。
 そうだ思い出した。原作を集めるのをやめてしまった理由のひとつとして、10巻まで桂馬オンリーで来た表紙が、ここから普通に女子キャラになってしまったこと……が、あった。いやまあ10冊も続けば十分かもしれませんが、それでもやっぱり、ショックだったんだよねぇ……。

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