翠星のガルガンティア#13「翠の星の伝説」(終)
序盤から中盤は、オープニングの爽やかさに期待していました。こういう雰囲気の物語を見せてくれるのだろうと。
中盤から終盤は、オープニングで描かれるシーンの数々が詐欺だと思いました。そのままは求めずともテイストの似た場面すら無いのはどうなのかと。
最終回のラスト、オープニング曲が流れたことにより気がつきました。
このオープニングは始まりではなく、物語が辿り着く場所を表すイメージだったのではないかと。
そう考えると、OP映像の中、チェインバーに搭乗したレドの表情が比較的硬いままなのも、納得がいくような。まあ、妄想ですけれどもー。
なにもかもすべてチェインバーが持っていってしまった最終回でありました。
ああ、そうなるんだろうなあ、お話的には綺麗におさまるもんなあ。でも、そうなってほしくないなあ。と、思っていたところに、剛速球ストライク。
この感覚。はるか昔、「天空のエスカフローネ」の最終回で抱いたものにちょっと似ている。物語の構造的にはとても美しい落としどころ。でも、感情がついていかない。
ぴったりとピースが嵌まりすぎていて、創造主の意思の介在を顕著に感じてしまうから。
分かりやすく言えば、チェインバーもまた、ガルガンティアの一員としてずっと一緒に居てもいいじゃないか。世界から、地球から、はみ出させなくてもいいじゃないか。
それだけなのです。
さみしいのです。
万能すぎたからなあ。しょうがないのかなあ。
……逆に、ラスボス(ファイナルボス)になっても、面白かったかも。
いずれにせよ、チェインバーの言葉、チェインバーの行動、チェインバーの戦闘、それらに燃えと萌えのすべてが詰まっていた最終回でありました。
機械としての境界線を決して踏み越えぬままに、極限までの「人間くささ」を感じさせる台詞まわしがとにかく秀逸で、唸らされることしばしば。
やっぱり、全話……は無理でも、せめて要所は書いて欲しかった。押さえて欲しかった。虚淵脚本で。
あっ。ピニオンはフラグは立っても安直にラケージとくっつくことはなくてほっとしました。さっさと髪を直すこともなく、しかし直そうとする仕草を見せるとか、たいへんサービスでした素敵(賢姉ヴォイス再生)。
……全然活躍しないし、空回りだし、格好つけといて格好悪すぎだし。こいつ何のためにここに居るんだっけ。状態だったけれど。それがまた、ピニオンというキャラクターらしさかもしれない。腰の据わらなさというか。
エピローグシーンでは、前髪をおろさせようとするラケージをちょっと見直しました。逆ドリカム状態(古い言葉だな!)いいじゃないですか。いいんじゃないですか。スピンオフつくろうず。ピニオン主人公で。
脱線しすぎですねすいません。
レドに始まり、レドに終わるのかと思ったら、チェインバーに始まり、チェインバーに終わり、レドが始まる。そんな物語でした。
全体の配分について、キャラクターの配置について、設定の組み立てについて、情報の露出について。納得のいかない部分、もったいないと思う部分も多々ありましたが、きちんと納得のいく着地点に辿り着いた、それだけでわたくし個人的には加点120くらいしてしまうので。
終わりよければすべてよし。チェインバーよければすべてよし。
1クール、楽しませていただきました。
ありがとうございました。
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賛否割れていたレビューも、最終回放映後は、だいぶ賛寄りになったようです。
しかし、普通に最終回視聴の感想がずらずらと並んでいますが、なんで、ブログなりツイッターなりで書かないのかしらん。不思議。この作品に限ったことではありませんが。
まあ、参考にする人も多いだろうし、こうしてネタにするのも楽しくはあるので、現状でいいのかな。
BOX3収録のOVAはどんなエピソードになるんだろう。それだけが気になります。