宇宙兄弟#63「若き日のドキドキ」

 真綿で首を絞められるかのような。
シャロンまわりの展開が、どうにもこうにも息苦しく、しんどいお話でありました。
 合い間に入る若き日のシャロン、せりかの憧憬など、美しくて素敵なシーンもいくつもあるのですが、逆に後の不安感を煽って、いっそう辛いという。
 安い言葉を使ってしまうと、いわゆる「死亡フラグ」というやつで。

 不安を募らせながら見ていって、それが頂点に達するのが、せりかがシャロンを診るシーン。ひとつひとつ、怖れながら確かめていくせりか、シャロンに触れるせりかを、見ているだけで心臓がぎゅぎゅっと痛くなります。

 単純にシャロンが良い人だから、良いキャラだから、というだけでは説明がつかず。
 おそらくは、シャロンが重い病気であることが判明すれば、六太が、日々人が、せりかが、とても苦しみ、悲しむのだろうな、と見ていて容易に想像がつくから……なのでしょう、きっと。
 日々人の帰還、初顔合わせの人も居て、沸いている場であることもまた、反転の背景として強く作用しているのかな。明暗。暗転。

 せりかの父親がここで回想として顔を出すのも、効果的というか効果的すぎる。もう分かったよね。分かっちゃったよね。という駄目押し。

 こういうエピソードになると、進行のゆっくりゆったりさがしんどくなるなぁ。もうさっさと引導を渡して、と言いたくなる。
 ……それもまた暗喩だったら、いやだな。

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宇宙兄弟(21)限定版
 原作最新21巻、発売中。この作品にしては珍しく、限定版の在庫が発売後ながら若干あったりするようです。ほんと珍しい。アポのぬいぐるみ、そんなに人気がないんですか!店頭でちらっと見たけれど、けっこういい出来っぽかったのに。
 もしかして、読者層が男性中心だから、ぬいぐるみはイラネって人が多いとか?ちょっとありそう。

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