ちはやふる2#23「をのへのさくらさきにけり」

 いずれ劣らぬ見応えの、A級決勝戦とB級決勝戦
 見応え、という観点では、A級が当然ずば抜けているわけですが、ここまで太一を……瑞沢高校かるた部を見守ってきた身としては、どちらも見たい、どちらも気になるのは当然。
 一番近くに居る当事者の千早であれば、尚更。

 しかしそこで躊躇うことなくA級を選び、千早をも引っ張る肉まん西田くんが、逆に潔く格好良かった。
新との対戦で痛い敗北を喫した後からの流れであるがゆえに、チームメイトの応援よりも己の肥やしとなる方を選ぶのは、とても納得できる、自然な選択。
 新と詩暢の対戦の見応え、というか、ここまでヒールっぽさをとにかく打ち出してきた(前回の回想シーンもその後すぐ恐いクィーンに戻っているし……)詩暢を、爽やかに、水のように、流してしまう新が実に気持ち良いのであります。
 視聴者の溜飲を下げてくれるなあと。って、何の溜飲だろう。何か、すごく、たまっているんだよな……詩暢については。

 一方、太一の決勝観戦を選んだ千早。それが太一のメンタルにとって逆効果になる、ってのがまた、もの悲しくも面白すぎて。これこそが太一の不幸属性だよなー。
 はっ。ということは、太一の不幸って、元凶は千早なの……か……?

 そんなプレッシャー(主に千早からの)を抱えつつ、今まで培ってきたものをすべて出して、元来の不幸属性的試合展開をからくも制した太一には、心から、おめでとうと言いたい。
 千早が泣いて喜んでくれたことにも、心から、良かったねと言いたい。

 こうしてみていると、やっぱり、三人が三人ともに主人公なんだなぁ。
 とてもバランスの取れた。いずれピンで主役を張ってもおかしくない。

 通常の三倍の主人公。贅沢であります。

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ちはやふる(21) (ちはやふる(21))
 またしても超絶フリーダムな。原田先生のどアップが表紙っていう原作最新刊。いやまあ内容に即してはいるのですけれども!原田先生一世一代の!
 ほんとに、この原作だからこそ(=売れているからこそ)許される表紙なんだろうなあ。しみじみ。これだけの力を持てるなら。

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