翠星のガルガンティア#7「兵士のさだめ」
クジライカであり、ヒディアーズでもある。
神聖なるものであり、滅するべきものでもある。
先週のラストではいまひとつ危ぶんでいたのですが、しっかりと激動の展開になって、たいへん面白うございました。
クジライカを倒すことにより再び孤立を深めるレド、というところまでは予想出来ても、そこに船団分裂の危機を被せてくるとは思わなかった。高まる緊張感、いいですね。いいですよ。
クジライカは神聖視というか、たたりなすものであるがゆえ、「崇り神」「禁忌」としての意味のが大きいのかな。それゆえに、チェインバーの強力さを知ってしまえば、挑んでみたくなる、と。
ピニオンが、欲得のみならず、クジライカを「仇」と言っているのも、なかなかに不意打ちでぎくりとさせられたところです。
対する船団長は渋くて格好良し、リジットの微妙なヘタレっぽさもへたれメガネかわいくて良し。
しかし、先週・先々週の日常回で、船団長をはじめとする船団幹部の描写が、もう少しあったらなぁ。お祭りで少し表情を和ませるオヤジーズとか。1カットでもあったら、印象がまた違っただろうに。
船団の慣習を知らぬ、従わぬレドの行為による非常事態の勃発というのは、最初の海賊戦に似せた構造とも受け取れます。
そこにクジライカの神聖性と敵性、ガルガンティア船団内部での軋轢といったものを加味することで、より深刻さを増している。その違いや意味を考えるのもまた面白い。
というか、レド自身もガルガンティアの一員となりつつあったので、ここに内包されるものなのかもしれない。
ピニオンの行動は、ある程度レドと親密になって、ひととなりを知っていたからこそのものなのだろうし。
船団長というカリスマが病により求心力を失いつつあることも、大きな要因なんだろうな。いぶし銀なじじいキャラは昨今本気で貴重むしろ稀少レベルなので、退場となって欲しくはないのですが。
これでまた、どう揺れるのか。
文字通り、波間に浮かぶ船のように。
誰も彼もが。
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翠星のガルガンティア(1) (ファミ通文庫)
公式ノベライズ、5月30日発売。本編ストーリーを追ったものかな。表紙がいかにもアニメノベライズなセル画(今はセルじゃないけれど!)調なのが、逆に潔いような。つうかレドが表紙なのは嬉しいな、うん。アニメ本編の設定制作&脚本を担当している谷村大四郎が執筆ということで、イメージの齟齬も無かろうし、安心して手に取れることでしょう。