聖闘士星矢Ω#51「輝け光牙!光と闇の最終決戦!」

 第一シリーズ、実質の最終回。
 次週からも普通に続いていますが(タイトルに小細工したりはしないんだな)スタッフがほぼ総入れ替えなので、ほぼ別シリーズと考えたほうが良いような気がします。
 いずれにせよ、きちんとファイナルらしい熱量のある回に仕上がっていて、見応えがありました。
 最後に「ペガサス幻想」がかかるのは、来る来る来る来る……来た!というカタルシスが凄かったです。待っていた。待ち望んでいた。

 光牙とアプスとの決着。
 迷いや惑いは前回までできっちりと振り落とし、ただひたすらに己の光を信じ、己を守ってくれた人のことを想う光牙の姿が、とても頼もしかった。
 最終決戦では蚊帳の外になってしまった仲間たちも、いわゆる元気玉展開ではありますが、魔傷を負った身を顧みずに小宇宙を燃やすその姿には、素直に燃えました。

 アプスはといえば、強大な敵でありながら、どこかしら旧世代の神の哀しみといったものがあり、アテナをいじめて(?)いても、品を落とす感じがなかったなぁと。
 光牙との問答も、この段階で必要充分な量で、光と闇について、世界の正義について、少々考えさせられるものもあり。

 そして何よりも、圧倒的な熱量の作画。
 馬越星矢はこれが最後の華ということもありましょうが、とにかく「燃える絵」をとことん追い求めたような絵作りに、心震わせられます。勢いのある演出、作画が、ただの作り手の自己満足ではなくて、しっかりと物語の盛り上がりを支えている。それが何よりも嬉しいし、見ていても燃える。

 そういう意味でも、懐かしいアニメでした。
 4クールという長丁場で、中だるみも挟みつつ、要所でいわゆる「神回」が降臨する。テンションの一時的な沸騰。
 東映アニメらしい、とも言えます。最後の最後にすべての力を注ぎ込むあたり。

 旧作のファンは、呆れたり怒ったりして離れてしまった人も多そうですが(知人に数名居ます)、私は元からさほど強い思い入れが無かったおかげか(黄金聖闘士の記憶がけっこう曖昧だったりするレベル)、最後までゆったりした気分で見ることが出来ました。
 ストーリーや作画・演出は、通して振り返ると、平均としては決して手放しで褒められたものではないけれど、要所に良回が配されていて、そこを足がかり的に見ていけば、視聴モチベーションはそれなりに保っていけたかな、と。

 なんだかんだで登場人物はみな魅力的でした。黄金聖闘士はきっちりアクが強いキャラとして仕上げられていたし、仲間たちはみな友情さわやかでいい子たちだったし。
 アリアというヒロイン(多数のヒロインが居たΩですが、やはりアリアが筆頭だと思うのですよ)も、とても魅力的でした。悲劇性、光牙との関係、エデンとの繋がり。ユナと仲良ししている時が、ほんとに、可愛かったなぁ……。

 一年間、ありがとうございました。交代されるスタッフの皆様、おつかれさまでした。
 来週からは、どうなっちゃうんだろうなぁ……より車田テイストが強くなりそうですが。期待と不安。
  
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 こういう玩具、もっと出ても良かったと思うのですが。つうかいまどきのアレなら、人気爆発していたらキャラソンとか出すよな。キャラクターのラインナップを見ても、いわゆる女性向け作品としてのブレイクはしなかったということだな。
 それはそれで、きわめて健全で良いんじゃないかと思います。ヘンに雑音が入ったりしなくて済んだし。

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