THE UNLIMITED 兵部京介#12「未来へ -LΛST RESOLUTION-」(終)

 兵部というキャラクターを味わい尽くせる最終回でありました。

 結局、事件そのものは(重大ではあるけれど)話の本筋じゃなかったんだよな、と。序盤からの伏線やら話の組み上げ方を見ても、兵部、ヒノミヤ、ユウギリの三者がどのように生きて、どのような生き方を選び取るか、が中心なのであって。
 ずっと物足りなく思ってきた、エスパー迫害についての説明&描写が薄いことも、「迫害する側の理屈」ではなく「迫害される側の理屈」だけに特化するためだったと考えれば、納得がいきます。

 とにかく、兵部は中二格好良かった、ヒノミヤは正統派格好良かった、ユウギリちゃんprprかわいかった(えっ)、と、キャラクターに注目して見ると、実に満足度は高かったです。
 ユウギリのなぁ。喋りが可愛すぎてなぁ。本編中でキャラソンを流すのは陳腐になるか否かの物凄く危ない橋を渡ることになると思うんですが、回想での訥々とした喋りとあわさって、なかなかにぐっとくるシーンとなっておりました。

 三者三様に活躍の場、見せ場のあった最終回ですが、やはり中心は兵部。過去の自分に打ち勝つ、というシチュエーションがこんなに効果的かつカタルシスのあるキャラも、なかなか貴重。
 謎空間で自分との戦い!とか、ぶっちゃけ見飽きた展開だし、下手をすると失笑ものになるところ、作画と演出、それにここまで積み上げてきた兵部の性格と過去の説明で、素直に感動出来る、名シーンとなっておりました。

 そしてヒノミヤがしっかりとユウギリを、兵部を支え受け止める様は、実にこう燃え度が高かった。ここで、前回、ヒノミヤについては抱えていた問題が解決していることがきちんと働いているわけで、最終回の土台というか屋台骨というか、そういった存在として、頼もしく見守ることが出来ました。

 あと、ラストに初期エンディング曲が使われたのが、なにげに嬉しかった。
 なんだかんだでこれが一番聴いていて安心できるし、良い曲だと思います。いやキャラソンもいいんですが、いいんですけれど、やっぱり微妙にずっこけるから……うん。

 だいたい予想のついたヒノミヤ……アンディの旅立ちというエピローグまで、そつなく綺麗に、甘いほどに優しく。大団円でございました。最後の兵部とアンディのやりとりも、満足。満腹。

 第1話の時点で期待した、もっとハードボイルドというかピカレスク・ロマンな路線からは少々外れてしまいましたが、キャラクター重視の中二スピリッツ全開アクションアニメとして、これはこれで楽しく見ることが出来ました。
 超能力バトルを真っ向から描いてくれたことも稀少であり、また嬉しかった。小さい頃に憧れていた「超能力で戦う!空中戦!テレキネシス!精神攻撃!」のイメージそのままに、映像になっているような感覚で。

 キャラ萌え、キャラ燃え。超能力バトル燃え。楽しませていただきました。
 スタッフの皆様、楽しい作品をありがとうございました。
 ……この終わり方なら、二期、出来るかな?

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OUTLAWS 「THE UNLIMITED 兵部京介」EDテーマ
 ジャケットイラストも集合絵でいい感じにクローズの雰囲気。
 そういえば最終回では三幹部の出番&活躍が少なかったのは残念だったなぁ。やられたままで終わり、とか。もったいない。もう一回くらい、派手な戦闘シーンが欲しかった。

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