Robotics;Notes#20「今でもロボットが好きですか」

 主人公ふたりの種子島への帰還。
 あれっ……飛行機の機長については完全スルーなのか……えぇー。まあ、ついぽでの伏線も全カットしてあったから、予想して然るべきでしたが、原作においては、この終盤の少々唐突な「島民一体の燃え展開!」においても、数少ない素直に合点の行く部分だったので、だいぶ残念でした。

 おいしいとこを取っていく教頭、クラスメイトやら島民やらのフォロー、昴の父親すらも。と、燃え燃え展開がてんこもり。なのに、どうにも不完全燃焼なのは、ここまでの描写が決定的に足りていないからだよなぁ。
 ロボ部の活動、活躍が、学校の内外でどう受け止められていたのか。呆れられ、笑われ、しかし憧憬の対象ともなっていた……そういう描写の積み重ねがしっかり為されていたなら、物凄い燃えシーンになったのに。もったいない。ほんともったいない。

 とか言いつつ、まあ、ストーリーは着々と、さくさくと。
 ロボ部の面々集結はやはり嬉しかったです。っていうか昴痛そうだよ昴だれか心配してやれよ。集合していることにもっと感謝&感動しろよあき穂。あっしまったつい本音が(略)
 そんな中、相変わらずのテンションのフラウが癒しでした。三次元化(違)した愛理を見て鼻息荒くするとか最高ですよ。

 主人公側の展開と同時進行で、みさ希の過去、事件……罪。トラウマ。そういったものが明らかにされました。非道な行いも、冷たい言動も、すべては君島コウに操られていた、と。
 これによりみさ希という人物がとりあえずは浄化されるわけですが、他方、そんなお手軽な理由に因っていたことは、少々残念というか、小物感。どうせなら徹底的な悪役として、華々しく咲いて散ってくれたら、っていう。そこまでの思い切りがあれば、逆に納得できたのに。
 とか不満を言いつつも、君島コウという存在に心を脅かされ、狂わされていく描写は、なかなかにぞわぞわして面白かった。これは確かに精神的に来るよなあ、と。

 みさ希、というより、みさ希をあやつるもの。それこそが悪。
 あき穂、そしてあき穂のあやつる巨大ロボット。それこそが正義。

 ともあれ構図は整いました。あとは全面対決のみ。
 最後は綺麗に終わってくれるものと期待しています。

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ROBOTICS;NOTES 瀬乃宮みさ希の未発表手記 (電撃ゲーム文庫)
 そんなみさ希の事情を描く外伝小説。事件以前、君島コウと関わりゆく過程が描かれているとのことで、みさ希というキャラクターの補完に最適?みさ希のファン、あるいは原作の味わいをさらに深めたい人には、嬉しい一冊かも。

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