琴浦さん#4「変わる世界」
安定の毎回最終回、継続中。
先週がノーマルエンドなら今週はグッドエンド。すべてが丸く収まって、心の安寧も確保されて。しかしなんとなくトゥルーエンドな気はしない、というより、トゥルールートが開いたところ、みたいな印象でありました。
つまり、物語はここから始まる、と。
三話までに比して、だいぶん予定調和的な部分が目に付きましたが(そんな中、孫にエロ妄想するおじいちゃんがいい味を出しすぎていましてよ)、ひたすらカタルシスに向かって邁進していて、
それにしても琴浦さんは天使すぎる。どこまで「赦す人」でありつづけるのか。
なまじ他者の心が読めるだけに、悪意も、善意も、誠意も、心の中で絡み合うすべてが見えてしまうがゆえに、赦さざるを得ない……と。しんどいな。
他者を見透かしてしまうぶん、逆に、自分の心は見えず、自分は赦せなかった。そんな「赦されざる自分」からは脱却しつつあり、それが救い。なのかな。
すべてを受け止め、赦してくれる、真鍋くんという存在。ESP研究会。クラスメイト。ゆるやかに形作っていく。絆というもの。
かわいくてけなげ、を前面に押し出しつつ、実際には心を読める自分、傷つけられる自分に酔っている部分もあり、それを免罪符に他者をあえて傷つけることすらあったわけですが。
これをはっきりと自覚させ、反省させ、モノローグで語らせたラストシーンには、思わず唸ってしまった。ここまできちんと計算して演出されていたのか、という驚きもあり。
琴浦さんのどす黒い部分を、どす黒い部分として、作品内で認識させ、昇華させてしまった。
これは、森谷さんにも、というか真鍋くん以外の登場人物ほぼ全員に共通して言えることなのかもしれません。
というか、琴浦さんは「赦し」のレベルが桁違いで、逆に、普通の人レベルの思考回路な森谷さんに親近感を抱いたりして。いや普通の思考回路では好きな男を襲撃させたりはしないよ、ね……うん。まあ、あんまり引きずるのも何だし、このテンポはこれで良いんだろうな。
森谷さんは今後、琴浦さんラブラブになっちゃうんだろーか。それはそれでたいへんオイシイな。うん。真鍋くんとの三角関係のバランスも、それはそれでたいへんオイシイ。
楽しみです。
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琴浦さん4 (マイクロマガジン☆コミックス)
原作第4巻、2月22日発売予定。アニメ放送中に一冊は出す、のはお約束。ほのぼのとしつつ暗い、黒いお話は、原作からのものなんだよねぇ。ゆえに、読んだらちょっと精神的にやられてしまいそうな気がして、怖かったり。ううむ。気になりますけれど。