PSYCHO-PASS サイコパス#15「硫黄降る街」

 ニコ動風の画面にわりと脱力。
えぇーあんなディストピアな近未来世界にもあるんですかニコ動……犯罪係数上がるってレベルじゃない気がするよ!
 ディストピアで飼いならされた、無気力で従順な体制のしもべかと思った一般市民、意外と過激だった。
 むしろ、それゆえに溜まった鬱憤であった、とも示唆されていましたが。

 この作品、時代設定は2112年。およそ100年後なんですね。
 シビュラシステムの完成度を考えると、妥当なのかと思いますが、人間の成熟度、メンタリティの変遷といったものの描写に、曖昧な部分が多い。それが、全体の不調和に繋がってしまっているのではないかと思います。
 個人的には、その揺らぎも含めての不安定な世界観が面白い、とも思っているんですが。でもニコ動風味はちょっと、なんつうか、うん。
 フルダイブのSNSとかあるような世界なんだから、せめてもう少し独自のインターフェイスで見せて欲しかった。

 まあそのへんは置いといて。
 崩壊していく社会、暴動にまみれる市街は、見ていてなかなかに負のカタルシスがありました。
 サイコハザードという言葉が連呼されているのが、やけに印象的で。この世界におけるハザードは、ハザードすら、サイコパスに因るものなんだなぁ。

 読書について、槙島の語ったことは、なかなか面白うございました。確かに、読んでも読んでも頭に入ってこない本もあれば、能動的な「読もう」という意志が薄くてもすいすいと入り込んでくる本もありますね。
 しかしギブソンとかディックとか読書傾向がだいぶミーハー、かつ以前に読んでいた本が酷かったしで、説得力が二割減ですよ槙島さん。電子書籍という名詞で、さらに三割減ですよ。
 ちょっと今回、単語の選定が珍妙だったり、繰り返しが多かったり、説明的な会話が多かったりで、いまひとつ入り込みにくかったかな。うーん。

 ところで、今回見終わった後で思い立って第1話の冒頭を見てみました。だいぶ忘れかけていたけれど、アバンが完全に今回の事件で、なにやらドキドキしましたわ。
 どの時点で負傷するんだろう。最終的に一対一の対峙になるとしたら、現在同行しているふたりはどうなっちゃうんだろう。
 何よりも、これが最終決戦だとすると、残りの尺ってどうなっているんだろう……なにがしかの隠し球があるんだろうか……。
 とか、野暮と知りつつメタな心配をするのもまた、先が読めないオリジナルアニメならではの楽しみであります。

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 朱が主人公のスピンオフコミック、2月4日発売予定。って、タイトルになってるのに、表紙にして貰えないのか。なんだか気の毒すぎるぜ朱ちゃん。おれは好きだぜ朱ちゃん
 コミック、出来はどうなのかな。とりあえず評判待ち。

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