PSYCHO-PASS サイコパス#14「甘い毒」

 ネタバレを避けるために、ほぼタイムラグなしで見ることにしようと思い、放映終了後、就寝前に視聴しました。午前2時頃に。
 ええ。すいませんわたしが悪うございましたそうですよねこういうアニメでしたよね心安らかに眠れるアニメでしたよね。
 胸糞わるいシーンが山盛りで(その容赦なさが心地良くもあるのですが)、見ている最中、見終わってから、若干気分が悪くなったりしました。そんな繊細なつもりはなかったんだけど!

 殺人シーンにも増して、周りの人間の無関心が、さらに気色の悪いものでした。
 ありがちな社会風刺であれば、携帯で写真を撮ったり、SNSに書き込んだりする描写になりそうなところですが、この作品においては(いくらかはそういう反応を見せている人間もいましたが)群衆がただただ無関心。というか、危険を危険として察知できない、飼いならされた鈍重な家畜のようになっているあたりが、やたら怖かった。
 目には映っていても、心には映っていない。
 ……本当に、恐ろしい。自分が被害者になること、加害者になること、傍観者になること。そのすべてが。
 で、この反応が、作品の世界設定から来ているってのが、とても良い。シビュラシステムの抱える問題点と同時に前面へと提起されるあたり、優等生的にも感じられる構成ではありますが、それゆえ信頼して物語の盛り上がりに身を任せることが出来る。

 シビュラシステムは、すべての悪意をブラックボックスに閉じ込めて、社会全体を無垢な幼子にしてしまった。どこかしら、パンドラの箱を連想させます。さかしまのパンドラの箱

 どうにもやりきれない、しんどい物語を、側面からしっかりと支えてくれるのが、登場人物たちのやりとりと動きの楽しさですね。
各人の関係、思惑、過去、現在を、丁寧に描いてきたがゆえの楽しさ。
 例えば、薬局での現場検証のシーンで、六合塚のクールな所作を見ていても、彼女の過去のこと、ここに立っていることの意味を、ふと考えさせられたりもしたし。いやただの思い込み、先入観の為せるものかもしれませんが、それだけキャラクターを血肉の通った存在として感じているわけで。

 今回はそれと、「自分の犯罪係数を執行する」という皮肉っぷりがまた面白くて、不快の快があって、ぞわぞわ。 
 執行官って、執行する者だけれど、いつでも執行されうる者でもあるんだよな……という、再認識。第1話からそれは出ていることで、捻りを入れての反復なんですが。
 ここで強調することに、なんらかの意味があるのかな。もしかして。

 盛り上がって、静かに燃えて萌えて(えっ)、最近ほんとに楽しゅうございます。
 折り返し過ぎて、失速せずに、ちゃんと面白さを増す。2クールアニメのあるべき姿。

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 今月発売の第2巻。ジャケットは監視官コンビ。ぎのっちヘタレメガネだよぎのっち。でもなんつうかこう、あれだ。甘さを捨てきれないヘタレは大好きです。大好物です。

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