映画『青の祓魔師 劇場版』

 レディースデーを使って、先日、見てきました。
 若いお嬢さんで七割くらい埋まっていた映画館……賑やかでした。CM中も。本編中も。うん。
 リピーターの比率も高かったようで、場面ごとに隣に座ったお友達に解説をしているお嬢さんもいらっしゃいました。うん。

 来場者特典?の、おみくじ。種類が多すぎてこれは鬼畜、と思いましたわ。
 んで、小吉。一応これ、扱いとしては志摩のカードになるのかな?ひどぅいな!

 TVシリーズは全話視聴。原作はほぼ未読(最初のほうをちらっと流し読みしたことがある程度)という状態で見ました。
 とりあえず、TVアニメ版にも原作にも寄りかかりすぎず、単体の作品として普通に見ることも出来るように作られていた気がします。
 いやまあキャラクターの設定を知っている知っていないで、見ていて楽しさは段違いだし、把握しやすさも全然違うけれど、メインストーリーを追いかけて、アクションと映像美と人情話を楽しむぶんには、予備知識なしでもなんとかなるんじゃないかな。
 逆に言えば、物語としてTV版の続きであるとか、原作を膨らませたものを期待すると、肩透かしに思えるかもしれません。ほんとに単独エピソードだし。

 絵本に語られた昔日の伝説から始まって、主人公の性格や身分の説明をアクションを絡めてテンポよく語り、サブキャラクターのウェイトやポジションもほどよく提示。そして、ゲストであり、この映画版においてはもうひとりの主人公となるキャラクターは、まっさらで無邪気な子ども。難なく思い入れられる。
 観客の視点に立った、親切で見やすい作り。個人的にはすごく好感が持てました。

 もちろんエンタメにはいろいろな形があって、考えさせること、不親切であることが魅力や美点になる場合もありますが、この作品については、ファン層や作品の雰囲気、これまでのメディア展開の流れを考えるに、最適の作りであったと思います。
 反面、話そのものは非常に単純な流れであったために先の展開はほぼ完全に予想がついてしまったり、またキャラクター中心に描いたために派手なアクション(戦闘)シーンが若干少なめだったり、といった部分で若干の物足りなさはありましたが、全体のバランスから見れば、些細な問題。
 
 アクション少なめといっても、序盤のファントムトレインとの戦闘はロケットスタート的に楽しませてくれたし、背景美術の美しさは特筆もの、人物の芝居も情緒たっぷりで、絵的な見ごたえは充分。
 でもって、キャラクターのかけあいの楽しさも鉄板。TVシリーズで培った関係性そのままに、主人公から脇役まで、たっぷりと見せてくれます。
 出番の多寡はありますが、ほぼ全員に(小ネタ程度のキャラも多いけれど)どこか一箇所はおいしいシーン、楽しいシーンを入れてくれている感じ。
 ゲストキャラクターも魅力的で、既存のキャラクターとの絡みもほどよく。

 絵として、お話として、キャラ萌え作品として。総じて、実に楽しい……楽しませてくれる映画でありました。
 個人的には、映画館で見た甲斐があった、と思わせてくれる、華麗な美術とアクションが、やっぱりポイント高いかな。

 ともあれ、満足です。
 年に一度くらいずつ、シリーズで映画やったりしてくれないかしら。

 パンフレット、600円。
 劇中に登場する絵本のイラストが収録されていたり、原画を掲載していたり、キャラ原案込みで原作者のコメントもあったり、なかなか内容充実。これで600円は嬉しい。
 最近のアニメ映画(or特別興行)のパンフレットって、ぼったくりか、きっちり充実か、どちらかにぱっきり分かれているような気がするなあ……。

amazon link

青の祓魔師 劇場版 公式ビジュアルガイド FESTA! (ジャンプコミックス)
 ビジュアルガイドも出ていたんだな。なかなかお財布にやさしいお値段。その分、内容が気になるところですが。
 美術と作画が本当に素晴らしかったので、ちょっと気になります。パンフレットでだいぶ補完されましたが。

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ