PSYCHO-PASS サイコパス#13「深淵からの招待」

 朱がどんどんヒロインに見えてきて、対照には宜野座の存在感がどんどん増してきていて、さらに控えるは槙島との対決、というわけで、これらの面々の真ん中に据わる狡噛は、構造的にもやっぱり主人公なんだよなぁと。今さらですが。
 朱が導入を務めたために、序盤においては狡噛の視点から物語が描かれることが少なかったためになかなか愛着が持ちづらかったんですが、佐々山や宜野座との過去を描いた前回、朱を案じる様子が描かれた今回と、感情移入を促す描写が続いたことも大きいのかも。

 しかし、狡噛というキャラクターの外堀を埋めるのに、現時点の仲間である執行官キャラを使わないのが渋いというか、面白いというか。これ、地味に見える要因のひとつでもあると思います。大人の距離感すぎる。
 分かりやすい友情やら分裂やらのエピソードは入れずとも、生きたキャラクター、感情のやりとりは、描けるんだよな。っていう。

 反面、当初は異分子であった朱が、どんどんヒロインポジションになっていくのも面白い。頼りなげだった序盤より、監視官として認められつつある現在のほうが、ヒロイン力が強くなっているのが、たまらなく良いです。
 女性が女性性だけのマスコットじゃないアニメって、こんなにも、気分が良いものなんだな……。

 しかし、朱のサイコパスの強靭さ、強さの根拠が引っ繰り返されたら、どうなっちゃうんだろう。
 200万人にひとり。決して少なくはない。

 ところで今回のサプライズとして、宜野座と征陸が父子であると明かされたわけですが、これ視聴前にTLで知ってしまったんですよねぇ。
リアルタイムで見てびっくりしたかった……予想もしてなかった!
 そっかー。だから、ファーストネームで呼んでいたりしたんだな。第9話での「ノブチカ」呼び。
 親子と知った上で、最初から見直してみるのも、面白そうだなあ。

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小説 PSYCHO-PASS サイコパス (上)
 小説版上巻、2月上旬発売。これはちょっと悩ましい。著者が深見真であることは惹かれますが、本編にどれくらい忠実で、どれくらい補完してくれるのか。店頭で現物を見てから、かなぁ。