小説『K SIDE:RED』

 BLUEに続いて読み終えましたので、適当な感想など。
 ちなみに、以前の『K SIDE:BLUE』の感想はこちらにあります。

 小説『K SIDE:BLUE』

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K SIDE:RED (講談社BOX)

 こちらも基本的には過去エピソードで、アンナが吠舞羅に加入するに至るまでのお話。
 SIDE:BLUEよりもさらに過去で、セプター4のしんどいお家事情が明かされて、君たち苦労していたんだね……とか思いました。
 でもって、アニメに登場している吠舞羅メンバーがこれでもかってくらいに出てきます。メインは多々良ですが、アンナを中心として、草薙、周防、多々良の掘り下げが最も多く、八田&伏見の描写もけっこう多く。八田のおまけ的に、鎌本も少々。
 ことに伏見は、話のウェイトとしてはさして重くはないものの、どんなキャラなのか、どうして裏切りに至ったのか、吠舞羅時代の内面から窺い知るには最適かと。

 オリジナルキャラクターは、サブキャラ女性、敵対勢力(青と黄金)がそれなりに出てきますが、出過ぎることもなくて、良い按配でした。

 個人的に気に入ったのは文章。なかなか端正で(SIDE:BLUEもそうでしたが)一般〜質ラノベ系とでもいうか、勢いだけで筆を滑らせることのない、誠実な文体。読みやすかったし、読んでいて気分が良かった。

 吠舞羅のメンバー、ことに周防、アンナ、草薙、多々良、八田、伏見(アニメではセプター4ですが)が気に入りの人、気になる人は、読んで損は無いというか、むしろ「読むべき」レベルだと思います。
 吠舞羅結成当時の回想が差し挟まれるのも美味しいし、アンナの抱える能力や、どんな存在であるかについてもしっかりと語られて、なんであんなDQNのたまり場にちっちゃい女の子が……という疑問への完璧な回答となっており。

 周防の力の発露、草薙の戦闘能力など、見どころいっぱい。ストーリーそのものについても、世界観を知るための情報がいっぱい。

 SIDE:BLUEに引き続き、挿絵もいっぱい。

 そして、一段組ではありますが、けっこうな厚みがあって、読み応えありました。

 いやあ。ほんと面白かった。
 アニメを見る際の思い入れが増すのはもちろんのこと、能力バトルものとして、普通に楽しめるラノベでもありました。

 で、巻末予告では、次回がSIDE:BLACK×WHITEで2013年春に刊行とか。いや、それ、真打ちなのかそれともっていうか時期的にアニメの後なのかもしかして?
 うーん。気になる。

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