Robotics;Notes#6「夢が終わっちゃったら、寂しい」
君島コウに関わるサスペンスと、ロボットな青春と。いまのところのマッチングはとてもうまく行っていると思います。
現時点では、サスペンス要素については海翔がひとりで抱え込んでしまっていますが、他の面々に話すには、未だ打ち解けの度合いが足らないし、あき穂については、みさ希が絡むことを含めて、心配をかけたり巻き込んだりしたくないと思うだろうし。
というふうに、見ている者が察しをつけることが出来るので、特に流れに違和感も無し。このへんは、この先どのように処理されていくのか、注目していきたいところ。
各キャラクターの性格、境遇、性癖が、適量ずつ投入されていって、それぞれに抱えたものが少しずつ露わになっていきます。
淳和もですが、今回のスポットはやはり、昴。あのクールな性格で、言動で、父親が頑固一徹な漁師というギャップ。そして、確執というよりは、あらがうことそのものを放棄しているような態度。
過去の科学ADVと比しての今作の特徴である「家族との関係」に踏み込む面もあり、注目されます。
それにしても、フラウ参入でやっとロボ部がフル活動と思った矢先のこれって、けっこうきついよなあ。
そして、昴の父親に食い下がるあき穂の必死さ、発作を起こすに至るほどのダメージ、というあたりに、ちょっとぐっと来るものがありました。
そうか。夢を諦めること、に対して、思うところがあるから、よけいに響いたんだな。あき穂には。
青春群像の走り出しとして、上々。
ここから道を違えず、きっちり走ってくれれば。走ってほしい。
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ROBOTICS;NOTES プロジェクト・プレアデス (ファミ通文庫)
そんな昴の事情について掘り下げた、外伝スピンオフ小説。プロジェクト・プレアデスって、そのサブタイトルだけでなんかもうイイですのう。オリジナルの女性キャラが登場しているってのが、ちょ、あの、気になります……。