小説『K SIDE:BLUE』

 読み終えましたので、つらつらと。

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K SIDE:BLUE (講談社BOX)

 題名の通り、青のクランことセプター4の、こちらもコミック版と同じく本編前日譚。主人公は楠原剛という二十歳前後の青年と、善条剛毅という三十代半ばの……描写としては中年、壮年っぽい男性。

 とは言うものの、コミック版同様、アニメでのメインキャラもそれなりに出てきます。
 宗像、世理。あと伏見も若干。他、第1話の「総員抜刀!」で名乗っていたキャラが複数名登場。

 ことに宗像はけっこうな出番有り&ほぼ全編において強く影響力を及ぼす存在として描かれているので、宗像ファンであればけっこう楽しめるんじゃないかと思います。

 アニメの伏線や予備知識を仕入れるという意味においては、セプター4の構造、流れる精神、そして「先代の青の王」について知ることが出来て、いろいろと面白かった。
 善条はその先代に仕え、彼を失った際に隻腕となったという設定で、おいしいポジションの渋キャラ。魅力的です。
 一方の楠原は知識のない状態から入隊し、セプター4について知っていく、馴染んでいくというポジションで、感情移入しやすく。アニメ本編には居ない「わんこ系」のキャラで、だいぶ可愛かった。

 この本そのもののストーリーも、終盤での展開は良くも悪くも驚かされるもので、読んでいて「えええぇえぇー……」となりつつ、ある種のカタルシスはありました。
 ないわー。ああ、ないわー……でも、ちょっと、心に残っちゃうわー……。

 ちなみに、講談社BOXのくせに(?)挿絵がそれなりに入っています。なかなか麗しい。

 総じて、コミック版と同じく「K」について知りたい、あるいは宗像のファンであれば、それなりに満足出来るものではないかと。
 講談社BOXは価格が高いのが難点ですが(しかもこれ一段組でびっくりした普通の講談社BOXは二段組なのに。本文、かなり少ないです)……カバーイラスト美麗、断ち切りも青く染めてある等、装丁その他において美々しく仕上げてあるので、手にした時に、微妙に満足感はあります、ハイ。

 ともあれ、面白うございました。
 読み終わってつい第1話の抜刀シーンを再度見てしまったですわ。

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