絶園のテンペスト#2「彼女はとてもきれいだった、と少年は言った」

 とにかく音楽の存在感が強すぎて、それだけでうっとりして見てしまうんですがこのアニメ。
 なにかとシェイクスピアを持ち出す作品であるがゆえに、音楽もまた意識して荘厳なものにしているのでしょうか。

 話は堅調に進展。登場人物の立ち位置や、主人公である吉野の抱く危うさ、愛花の可愛らしさが、粛々と描かれ、煮詰められていく。
 一見して「やばい」印象の真広よりも、主人公なのに視聴者(あるいは、読者)にさえ真情を見せない吉野の方が、さらに危ういというか怖さを感じるのが面白くもしんどい。
 吉野と真広の関係にしても、真広と愛花、愛花と吉野の関係にしても、少しの刺激で容易に亀裂が入ってしまいそうな、そんな危うさがひたひたと背に迫ってくる。ほんと、面白いけど、しんどいわ。

 そんな中、今回の内容で私的に心に引っかかったのは、小さいエピソードですが、自分の財布を取り返した吉野が、その行為をエヴァンジェリンに見咎められ、揶揄されるシーン。
 あそこですぐに誤解を解くことはせず(状況的に無理ですが)に、理不尽な誤解を受けつつ、さらに理不尽な追跡と襲撃を受ける、居心地の悪さ。厭な感じ。
 なんとなく、この作品を象徴していたような気がします。
 理不尽。辻褄あわせ。実際、キーワードでもある。

 ところでEDのほのぼのっぷりは何なんでしょうか!世界の関節がへにょへにょになりました……いや可愛いんだけど和むんだけど、可愛くて和んでいいものなのか、と。

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 そんな空気読めてなさすぎなEDがこちらになります。歌声はとても可愛いし、良い感じのアイドルソングだと思うんですが、ミスマッチはいかんともしがたい。
 というかアニメ盤は出ないのかな?声優歌唱だと出ないものなんですか?

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