超訳百人一首 うた恋い。#3「宗貞と吉子 僧正遍昭」

 あまつかぜ〜の歌は、百人一首の中でも印象深いほうではないでしょうか。
 なんとなく天空を舞い踊るような幻想的なイメージがありますが(私だけ?)、実際には、五節の舞姫を天女に見立てて詠んだ歌なんですね。その舞姫小野小町であった、という説を採用し、クライマックスに持ってくるとか、ええですのう。浪漫が溢れて、だだもれになってしまいますのう。

 小野小町ではなく、吉子。深草少将ではなく、宗貞。この名を使うことにより、ラストのサプライズを演出しているのがまた憎いというか。いやまあ知っている人は知っているのでしょうけれど(百夜通いという言葉が出た時点でピーンと来る人も多いでしょう)、私はもう知識も記憶も錆びつきまくりなので、素直に驚かされたというか、おおっという気分になりました。
 現代のジェンダー問題に通ずる女性の悩み、欲求を描いているのがまた、小野小町という人物のイメージには全然繋がらなかったもんなあ。小野小町そのものが、架空の人物説も出るほど謎に包まれた存在である、ということもありますが。
 心のすれ違いが生まれる理由を、こういうところに置くのも、なかなか新鮮でした。大人のドラマしていたなあという。

 毎回、由緒正しく平安浪漫で、実に堪能しております。
 時々差し挟まれるギャグ演出も冴えて楽しく、不意を突かれてと吹き出すこともしばしば。
 今週はリアルタイムで視聴したのですが、三連休の締めにこれを見て、なかなか気分よく眠りにつくことが出来ました。冒頭の残念な藤原定家のナビ含め、安定してほんと楽しい。

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超訳百人一首 うた恋い。美ぬりえ
 こんな意味不明なものも出ております。ぬりえ。えっ、ぬりえ?ほんと、いみがわからないよ……。彩色見本も収録しているそうなので、イラスト集も一応兼ねている、のか。
だがそれにしても「ぬりえはすぐに使えるミシン目入り」とか言われても。MFよ、何がしたいのだ。

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