坂道のアポロン#10「イン・ア・センチメンタル・ムード In A Sentimental Mood」

 擦り硝子は浪漫ですね浪漫。
 約束されたお風呂回、たが男だ。それも浪漫。浪漫?

 お風呂、風邪引き、白昼堂々の告白。イベントのオンパレード、そのすべてが心を繋げる方向へと向かわせるもの。
 ようやっと誤解とすれ違いが解消され、晴れてあるべき姿……想い想われる同士がついに心を通わせる、そのカタルシスに満ちておりました。
 今までずっとやきもきしてきた視聴者としては、ひたすら良かった良かった、と思うのであります。
 今回描かれた薫と律子についてはもちろん、淳一と百合香についても。

 で、カップル成立×二組で、そこから外れてしまった千太郎には、別方面からの試練が。
 恋と音楽と学校生活というメインディッシュ。そこに「家庭」「家族」という逃れられない問題が、もっと重いものとして横たわるのが、時代背景もあって、作品の重みを増しているように感じられます。
 この頃は「家族」という枠組はとても強固なものであっただろうな、と思うので。
 その枠組から弾き出された千太郎は、文字通り居場所が無くなってしまう。しかも、親友と幼馴染が恋人同士になっちゃったら、別の意味でも居場所があまり無さそうな。と言うと若干下世話ですが、なんというか、自分の事情に深く巻き込みたくない、という気持ちは加速するかもなあと。
 そして、ひとり旅立ってしまう……と。

 それにつけても今回はまた、超スピード圧縮っぷりが凄かった。雪の中の告白から、突然夏に飛んだ時は、どうしようかと思いました。潔いっちゃ潔いのですが、もっと見せて欲しいという気持ちのが大きいです。いろいろともったいない。

 しかし短いからこそ、濃縮されているからこそ、駆け抜けていく青春らしさが出ているとも思えるし。悩ましい。

 あと二話か。あっという間だ。
 ……実はここから先は原作未読なのです。アニメで先に見てしまおうと思っています。
 楽しみだけれど、心臓が痛くなりそう。

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 震災チャリティコミック短編集。原作者の小玉ユキが参加しています。清澄で美しい短編で、読み応えがありました。
 いろんなプロ作家が参加していて、しかも自分の描きたいものを描いている感があって、よき一冊です。こういうアンソロコミック、普通に一年一冊くらい出てくれたらいいのにな。

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