坂道のアポロン#8「ジーズ・フーリッシュ・シングス These foolish things」

 友情の危機の次は、恋愛の危機。一難去ってまた一難。
 難、と言っても、人間関係の難。同時に甘やかさをも伴い。それは友情でも恋愛でも等しく。

 錯綜ここに極まれり、の恋愛模様であります。
 もともと笑ってしまうくらいの一方通行片思いの連鎖だったわけですが、ここに来て、大きな動きがあり、かろうじて保っていたバランスが瓦解してしまいました。
 しかし、いっそここから再構築していく方がいいんじゃないの、とも思ったり。

 淳一が如何にしてあのようになってしまったか、ということが今回のメインでした。
 この時代の学生運動のうねりというのは、なかなか想像のつきにくいものですが、この作品(における淳一というキャラクター)においては、政治的思想そのものではなく、友情や恩義のしがらみからの連鎖から巻き込まれてしまった、という経緯であることにより、現代の私達でも分かりやすく、感情移入しやすくなっています。
 もとから淳一は政治にどうこう入れ込むような人物とも描かれていなかったので、これがベストな表現だろうな、と。

 そして百合香の潔さ、美しさ。
 髪を切る、という一種切り札的なイベントが、逆に淳一のトラウマを発動するあたりにも痺れますが、そこからさらに一歩踏み込み、切り込んでしまう百合香さんマジ男前。

 一方で、律子の心境の変化も描かれはじめ、よりによってそんなタイミングで薫が千太郎に律子のことをにおわせてしまう、という。
 見ている方は、あわあわあわダメだよ違うよ今それを言わずにあと一押しなのに!と思う、このもどかしさ。
 千太郎、あわあわあわダメだよよりによってここで気づいたらいかんだろ!と思う、このもどかしさ。

 うむ。じっとりと青春。それも有り。

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アルタイル
 このジャケットイラスト、限定盤は目を瞑っていて、通常盤は開いているんだな。面白い、けれど、コレクター泣かせだなあ……。
 ED、発売日にDL購入しました。ITunesストアにさくっと入ってくれるのは有難い。フルで聴いてみたら、エモーショナルというか泣かせというか、感情の入りまくったアレンジ&歌い方であることがショートバージョンよりも顕著で、驚きました。最近のアニメタイアップ曲では、男性ボーカルでこういうのって、珍しい気がする。貴重です。

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