坂道のアポロン#6「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ You don't know what love is」

 新学期、クラス替え。
 物理的な距離の開きとともに、新しい人間関係が生まれる。
 アバンは、律子から薫への精神的な距離が微妙に変化している様子が感じ取れて、なかなか美しいシーンでした。
 ほんのちょっとの、仕草の演技。
 アニメのキャラクターが「いい芝居」をしているの、大好きです。

 新登場の松岡星児くんは、絵に描いたような(そりゃアニメだから絵ですが、という無粋な自分突っ込み)引っ掻き回し役で、いっそ清々しゅうございます。
 しかし単に作劇に必要なだけの憎まれ役というわけではなく、いろんな面を持ったキャラクターとして描かれているのが気持ち良い。ま、うっとうしいことは確かなんですけれど!

 薫の追い詰められ方、というか自分で自分を追い込んでしまう様子が、見ていて痛々しくもリアル。実際にあるないという意味のリアルではなく、感情の動いて行き方が、とてもリアルに感じられる、という意味で。
 単なる「友達とられた!」というだけではなく、錯綜する感情があることが、ちゃんと感じ取れるから。

 高校生らしい友情と、バンドのメンバーとして……音楽をともにする仲間としての繋がりと、その双方の危機なんだろうなぁ。
 前者については、差し込まれた回想シーンでも分かるとおり、薫というキャラクターの根幹を為す重要なトラウマに直に触れるものであり、後者については、初めて知った楽しさ嬉しさを失いそうになったことによる喪失への恐れであり。
 いずれにせよ、なかなかの試練。青春がんばれ若者がんばれ悩め悩め。
 そして、いつか、また音楽を。

 一方、ラストシーンが別の影を落としておりますが。
 学生運動……あの時代の空気を、アニメでどう描いていくのか、不安であり、期待もあり。
 でもまあ、何よりもやっぱり楽しみです。
 第6話終了、折り返し。最後まで楽しみながら、見ていきます。

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 EDテーマ、5月30日発売予定。OPも素敵だけれど、EDもね。うん。何度聴いても、転調するところで、ぐっと来ます。
 ところで最近のシングルCDにしてはやけに安いなぁと思ったら(限定盤は定価1260円、通常盤は840円)、なんと収録は「アルタイル」一曲だけ、という。同時収録はBacking Trackのみ。これは要するにインストだろうから、実質一曲。こういう割り切りも有りですね。

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