坂道のアポロン#5「バードランドの子守唄 Lullabys of Birdland」

 青春ブルートレイン旅。
 生き別れの母親に会うための旅。というより失恋傷心旅行としてのウェイトの方が大きいんじゃないですか薫さん?

 前半は薫の失恋が決定的になる様子を、糸電話なんて甘酸っぱいアイテムを使って、叙情的に盛り上げてくれました。
 ほんの少しの描写と台詞で、律子の想いの複雑さも、はっきりと分かる。

 同じく、ほんの少しの会話で、百合香が淳一にどうしようもなく惹かれていく様子も、はっきりと。
 一方通行恋愛ばかりで、見ていてしんどくなりそうなものですが、さほど辛く感じないのは、やはりこの確かな描写と、登場人物達が誰も彼も本当に純粋だからだよなあ。
 たとえ辿り着く先が泥沼であろうとも、汚れなく、足を踏み出していける。そう感じられるから。

 後半は、西見さんちの家庭の事情。いや事情は全然説明されなかったけど!原作ではもう少し経緯の説明がありますが、アニメですっぱりすっきり仕上げたのを見ると、これはこれでいいと思うから不思議。原作も、決して蛇足めいているわけじゃないんですが。
 語らなければ伝わらないことと、あえて語らぬままに伝えることと。相反するのか、同質なのか。
 母と息子、そしてその場に友人である千太郎がいることによって、媒介というか、薫は救われているんだろうなあとも思ったり。

 そして母親役の本田貴子が凄く良かったです。ハスキーヴォイス、だけれど、歌を歌ったらきっと聴かせてくれるだろうな、と想像出来る声。演技。UN-GO以来、だいぶ好きになった声優さんです。

 全体に、今回も満足のハイクオリティな面白さだったんですが、しかし演奏シーンがもうちょっと見たかったなぁ物足りない。などと思う贅沢。
 かわり(ではないけれど)に流れた「バードランドの子守唄」がとても素敵だったので、まあいっか。とも。

 いつか、親子で奏でる曲。

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 しかしもっと注目なのが、通常特典のメイキング映像。つまりは動画コンテの映像ってことなのか?そうなのか?うわぁそれは凄く見たいぞ!
 第1巻だけあって、他にも音声・映像特典は多数ありますが、ぶっちゃけメイキング映像とノンテロップOP・EDだけあれば満足だよなあっていう。

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