ラストエグザイル-銀翼のファム-#21「Grand master」(終)

 ファムとジゼとミリア、三人の未来と。グランレースと。

 やるべきことはすべて詰め込んで、大団円の最終回でした。戦争は終結、各キャラクターの行く末をきちんと描き、前作主人公もなにげにちょこっとフォロー。放りっぱなしになるんじゃ?と危惧された伏線も、殆ど全部拾った、かな?
 正直、蛇足に思える部分もありましたが。ファムの出生とかファムの出生とかファムの出生とか。あれにどんな意味があったんだろう。物語の軸とひとつも絡んでいないし、ファムの心に最後に傷を負わせるだけの役割しか果たしていないと思うんですが、まさかそれが狙いじゃないよねぇ。

 しかし、わたくし理解力が足りなくて良く分からなかったんですが、結局ルスキニアは、いわゆる負のまとめの総大将をやりたかったということなんでしょうか。憎まれ役を買って出たと?
 ど、どっかで聞いたような……。
 虐殺により世界全体の人口を減らすことが目的だった、という説もあるようですが、あまりにも不愉快すぎて、であれば逆にもっと真正面から取り上げて欲しかったなあ。

 でもって、ルスキニアとサドリの死(という解釈で良いんですよね?)は、納得できまないですね。非常に納得できまない。
 ただの逃げじゃないですか。あれは。ルスキニアは本気で顔向け出来ないだろうけれど、だからって、退場して終わりにするのは無責任すぎる。ファムの叫びには、非常に強く共感しました。サーラの為にも、責任を取るという意味でも、生き延びて欲しかった。
 完璧に、逃げにしか見えない。作品内で言うと、ルスキニアの逃げであり、メタ的に言うと、まあ作り手側としても、死なせちゃえば楽ですよね。それなりにお涙頂戴が出来て、面倒くさい描写の手間も省ける。
 いろいろと腑に落ちない。
 サドリについても、なぜあそこで退艦しないのか、意味が分からない……どんな必然性があったというの。物理的に、精神的に。

 文句ばかり言ってしまいましたが、このふたりの死以外は、おおむね満足な最終回でした。
 グランレースも見せてくれたし。ディーオ格好良かったしおいしいところ持っていったし。
 とにかく途中が詰め込みまくりのハイスピードだったわりには(あるいは、そのおかげで?)きちんと物語は「おはなし」として完結してくれて、その点については文句無しです。

 序盤のわくわく感、凄かった。中盤のキャラクターの打ち解けゆく様子、楽しかった。終盤の空中戦、見応えがあった。
 キャラクターでは、ディーオがとにかく魅力的すぎて、萌えとか関係無しに、画面に出てくるだけで幸せでした。前作、見てみようかなあ。でも何やら見るの辛そうなんだよなあ。微妙に悩める。

 ともあれ、2クール、半年。楽しませていただきました。
 スタッフの皆様、ありがとうございました。

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 前作のBOXが出ているということは、ファムもそのうち出る、んだろうな。それにしても前作見たい……クラウスってなんで車椅子なの。そんな激しい戦いがあったの。ああ気になる……。

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