ラストエグザイル-銀翼のファム-#14「Smothered mate」

 こりゃまた大胆な省略。エグザイルの発動も、カルタッファルへの帰還シーンもカットとは、驚いた。
 尺の問題もさることながら、多分、作品そのものの指針だと思うんですが、ファムにショックを与えない、というかファムがショックを受けるシーンをあまり見せないんですよね。見せるとしても、その話の中で解決する場合が殆ど。
 ファムが心の強い少女であることを強調しつつ、立ち直りが早いながらも薄情な性質には見せない。そのへんの見せる・見せないの取捨選択によるキャラ立てが、なかなか味があります。

 直截的には見せないけれど、確実に心は傷ついている。
 それを払拭するには、やはり空を飛ぶしかないというファム、空を飛ぶファムを見てグラン・レースを想起するミリア、という流れは実に美しく、また、レースの音にミリアの号泣を溶かしてしまう演出も素敵でした。いい子たち。いい仲間たち。
 もっともっと自由に、美しい空を、飛びまわらせてあげたい。

 しかしラストの急展開には唖然。どう見てもいたいけで可愛らしいアウグスタ・サーラが虐殺上等な連邦のトップである、というアンバランスが面白かったのですが、ここで切り離して安全圏に持って行っちゃうのかあ。
 この世界の住人的には大いなる前進となりそうですが、視聴しているぶんには、ストレスは減るけれど、面白みも減る……まあ、可愛いは正義という言葉もありますし?
 そうすんなりといかない、かもしれないし。などと言いつつ、予告を見ると、既になれあっていますが……。

 とは云え、ルスキニアもある種の悲劇の体現者ではあるし、黒リリアーナとの衝突もあるだろうし、まだまだ問題は山積み。
 世界がうねりをあげはじめている、この状態はわくわくします。やっぱり2クールでじっくりと描かれる物語は良いなあ。

 素敵な感想を拝読したのでリンクを張っておきます。
 なぜかTBが送信できなかった……。
 ラストエグザイル―銀翼のファム― 第14話「Smothered mate」@妄想詩人の手記
 物語全体を俯瞰し、人物に細やかな目を配り、熱い感想でありながら各国の構図の解説にもなっている素晴らしいエントリ。個人的に、こういうタイプの感想は大好きです。

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TVアニメーション「ラストエグザイルー銀翼のファムー」O.S.T.
 挿入歌も入っているのかしらん、のサントラ。けっこう歌入りの曲が多く収録されているそうですが。「Starboard」だけでも欲しくなる、っていうか「Starboard」単体売りして下さいよう。iTunesで検索したらTVサイズしか無いって、何の嫌がらせ。

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